キリマンジャロのポーター

1週間にわたるキリマンジャロ登山で、我々観光客が自分で運んだのは必要最小限の荷物だけだったが、残りの荷物は現地のポーター(荷運び人)の手で山腹を運ばれていった。実は、彼らにとってこれほど嬉しい話はないのだという。いい金になるからだ。

そんなわけで、我々の手荷物は防水ジャケットやカメラくらいだったが、ポーターは大きなバッグにテント、寝袋、寝袋マット、食料、水、その他もろもろを詰め込んで運んでいった。しかも、大抵は頭の上に乗せてだ。

ポーター1人が運ぶ観光客の荷物は最大15kg。彼自身(ポーターは全員男性)の荷物があっても、この総重量に含まれない。ガイドの説明はこうだ。「15kgというのは、成人男性にとって大したことない重さと考えられています。あと、よく頭の上に荷物を載せて運んでいますが、そうやって運ぶのに慣れているというだけのこと。彼らにとっては、その方がやりやすいんですよ」

ガイドはこう続ける。

「ポーターは非常に人気の高い仕事です。それほど大変な仕事というわけでもないのに、この地域の他の職業より高い給料をもらえますからね。それに、国立公園の公式の方針で、できるだけ多くの労働者をポーターとして雇うよう奨励されているので(ポーター1人あたり15kgに制限されているのはこのため)、大量の雇用が生まれているのです(男性向きの仕事ですが)。地元にとっては嬉しい方針でも、訪れる観光客にとっては、ちょっと高くついてしまいますね」

その方針が実行されるのを目の当たりにした。我々のグループに約30人のポーターが割り当てられたのだ!キリマンジャロとその周辺の事情はこんな感じだ。

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キリマンジャロの暴れ馬

1週間に及んだキリマンジャロ登山のクライマックスは、このアフリカ最高峰の火山のバランコ溶岩壁に登ったときだった。ステラ・アルトワポイントを経て山頂へと至る最後の行程の後のことだ。まさに、登る者を振り落とすキリマンジャロの暴れ馬。これほどの急勾配(!)では簡単に滑り落ちてしまう。300mの切り立った岩壁である(少なくとも最初はそう思えた)…

これだ。

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キリマンジャロでクリスマス

クリスマスの過ごし方として、これ以上の名案はあるだろうか?…アフリカの火山に登る以外に?そう私が自問したのは昨年の11月のことだ…

…その6週間後、私はキリマンジャロの山頂に立っていた!

「高山病の第1段階は多幸感。活発、興奮状態、友好的、おしゃべりになり恍惚状態に近くなる。第2段階は脱力感。元気がなくなり、悲しく、退屈になり、気持ちが沈み、動きが鈍くなり、会話の意欲や食欲がなくなる。」

これはタンザニアに着いてまもなく、現地ガイドのO.R.氏から話を聞いて私が取ったメモだ。ただ、その次の段階についてはO.R.氏はあえて言わずにおいたのだと思う(さすがに私たちを脅かしたくはなかったのだ)。だから私の方でこう付け加える。「第3段階は致命的な状態。身体状態および精神状態が急速に悪化し、ううむ、やはりO.R.氏と同じように、私もこれ以上は立ち入らないでおきたい。これだけは言っておこう。この第3段階に近づいた時に必要になるのは、酸素マスク、薬の注入、SOS医療ヘリの派遣依頼。いずれもできる限り早く。

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TOP100シリーズ:アジア編

中国中東の他に、アジアで興味深いお勧めの場所としてTOP100に挙げるならどこだろうか?ここだ…

  1. タージマハル、インド

ムガル帝国のシャー・ジャハーン皇帝が寵妃のために造らせた白大理石の巨大な霊廟だ。Googleマップで細かく見てみると(こちら)、タージマハルに面した川の対岸に、第2のタージマハルを建造するための土台の跡があるのがわかる。(少なくとも計画の上では)第1の霊廟をそっくり模したものを(ただし今度は白ではなく黒大理石で)造ろうとした痕跡だ。伝説によると、要はそれほど巨大で贅を尽くした墓に多額の資金を投じる余裕がムガル帝国になくなり、皇帝は臣下に地位を追われ、その結果タージマハル2の計画も急遽中止になったという。

不思議な魅力のある場所だ。特に霊廟と、それを取り囲む壮麗とは言い難い田園風景との対照が印象的だ。通常のツアーバスでは揺れがひどいので、ぜひとも個人で専任ガイドとミニバンを頼んで行くことをお勧めする。詳細はこちら(文章はロシア語なので写真だけお楽しみいただければ)。

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キリマンジャロから新年のご挨拶

明けましておめでとう!

皆さんが年末年始の休暇をつつがなく過ごし、心身を休め、文化教養に親しんでリフレッシュされたことを願っている。まあ、お決まりのご挨拶だ。そろそろいつもの四方山話、旅行記、体験記、写真の紹介に戻ろう。

新しい年もこれまでどおり、静かに始めるとするか…いや、そんなわけはない!

新年は威勢よく始めるに限る!たとえばこんな風に…

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中国の大規模カンファレンス

先日、非常に興味深いカンファレンスに参加してきた。中国で開催されたワールドインターネットカンファレンス2015だ。イベントの詳細については各自(興味があれば)ニュースで読んでもらうとして、私自身の出張報告をしよう。

イベントの開催地は古い街並みが残る烏鎮という町で、イベント開催時は各国の大統領、総理大臣、中国の習近平国家主席本人をはじめとした高位の来賓を迎えるために完全に通行が遮断され非常線が張られていた。私は上海から烏鎮への移動中に居眠りをしてしまったため、どれだけ非常線を越えたのか正確にはわからない。烏鎮に着くと、道路には人っ子ひとりおらず、空の雲もひとつ残らず消えていた(それとも雲が自分の意思で退散したのだろうか。よくわからない)。晴天だが、霜が降りそうなほど寒い日で、地元の人々はコートやマフラーにくるまっていた。

カンファレンスの初日は殺人的なスケジュールだった。

午前8時に活動を始め、終わったのは夜11時30分。いわく「もう少しで死ぬところだった」(どこかで聞いた台詞を借用)。とはいえ、非常に興味深い人たちと会えたし(笑)、業務上の重要な発表も行った。

2日目には、どうにか時間を見つけてこの素晴らしい町を観光して回ることができた。とても面白かった。ネットでは烏鎮は「中国のベニス」と呼ばれていて、確かに運河、橋、舟などがあり、基本的にはベニスに似ている。ただしどこをとっても中国風の趣で、規模は遥かに小さい。せいぜい2時間か3時間あれば旧市街を歩いて一回りできる。そして、それくらいの時間があればたくさん写真を撮れる。

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ドバイという都市

初めてドバイを訪れたのは、かなり前だ。2005年の2月だったと記憶している。UAE(アラブ首長国連邦)初のディストリビューター契約を交わしたときだ。

(私の記憶が正しければ)ビジネスはすぐに軌道に乗ったわけではなかったが、個人ユーザー向け市場から少しずつ浸透し(緑色のパッケージが地元の店舗に並ぶようになった)、続いて小規模企業、そして今では大規模企業とも取引するまでになった。

2008年11月、パームジュメイラ島の真正面にある高層ビルに支社を正式オープンした。写真にある、ここだ。

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TOP100シリーズ:中国編

ロシアと同じく)中国だけでTOP100の記事を1本書けるのはなぜか。答えは簡単だ。この国の美しくも独特な自然は、とにかくスケールが大きいからだ。不思議なことに、こうした場所は中国以外ではあまり知られていない。

なぜそうなのか、私もよくわからない。確実に言えるのは、中国が外国人観光客の誘致を一切していないことだ。そもそも、その必要がないのだろう。何億人もの国民に堪能してもらうだけで、事足りるからだ。そんなわけで、どんなに「素晴らしい」場所でもWikipediaの記事すら存在しないところがある。存在が知られるようになるのは、(かなり)変わり者の観光客が辺境の地を巡る旅でたまたま出くわした秘境について語るときだけだ。そして、そのかなり変わり者の観光客というのはを隠そう、この私だ!(とはいえ、まだ中国を隈なく見たわけではないが)

では、早速中国の秘境をご紹介!といきたいところだが、その前に誰でも知っている超有名な観光地から始めるとしよう…。

  1. 万里の長城

聞くところによると、数世代前までは何日もぶっ通しで壁沿いを歩けたそうだ!悲しいかな、最近はそんなチャンスはゼロだ。今では遺産の保存が最優先ということで、観光客にはほんの一部しか公開されていない。それでも、訪れる価値は十分にある。自分の「行ったことのある場所リスト」にチェックマークを入れるためだけではもったいない。世界中どこを探してもこんな壁は存在しない。何から何まで独特だ。

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TOP100シリーズ:中東編

中東も大いに興味をそそられる地域だ。この地で「グレイテストヒッツ」に選ばれるのは間違いなく、人間の手で造られた歴史遺産や古代遺跡であり、自然美の名勝(こちらはいわば「B面」というべきか)を優に凌いでいる。(ありきたりの言い方になってしまうが)中東が古代文明の発祥の地であることを考えれば驚くにあたらないだろう。

最初に断っておかなければならない。私自身この地域を訪れた経験がほとんどないため、TOP100の中東編としてここにまとめた内容には、不正確な部分が多少あるかもしれない。その場合は、ぜひとも協力してほしい!訂正すべき間違いや、追加すべき事項があったら、コメント欄でご指摘いただければ非常にありがたい。

では出発することにしよう…

  1. 死海

間違いなく、ここ中東でしか見られない自然現象だ。とても塩分の高い海水なので…そう、体が浮かぶのだ!…ということは皆さんご存じだろうから、あまりよく知られていない事実を紹介しよう。とても塩分の高い海水なので…指を浸してひと舐めしただけでも、冷えたビールを2杯一気に飲み干せるほどだ。少々行儀が悪くても十分言い訳ができるというものだ(笑)

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