月ごとのアーカイブ:4月 2018

【公開書簡】 前略 Twitter社幹部の皆様

「汝が人の舌を引き裂くとき、汝はその者が嘘つきであることを証明しているのではなく、その者の語るであろう言葉を汝が怖れていることを世に知らしめているにすぎない」
– ティリオン・ラニスター(Game of Thronesより。翻訳はKaspersky Lab)

前略

ジャック・ドーシー様、並びにTwitter社幹部の皆様

皆様が最近において、御社のソーシャルメディアプラットフォームの「健全さ」に関する懸念、また、虚報の拡散、社会不和の創出その他に同プラットフォームが利用されかねないとの懸念をお持ちである旨、存じています。安全で友好的なインターネットを長年支持してきた立場として、こうした懸念は私の懸念でもあります。弊社はソーシャルメディアを席巻するこの嵐に関しては周辺的立場にあるものと見ていましたが、それが誤りであったと判明しました。

これが手違いであったとしたら、どうか公に認めていただきたい。そうしてこそ、政治的圧力がかかったのではないかという疑惑を払拭することになる

今年1月末、弊社はTwitter社より、弊社公式アカウントによる広告を禁ずる旨の通告を、思いがけず受領しました。これら公式アカウントは、弊社が所有する各種公式ブログ(SecurelistKaspersky Dailyほか)の新着記事をご案内し、新たなサイバー脅威についてお知らせすると共に、脅威へどう対応するべきかをお知らせするためのものです。匿名のTwitter社員より届いた短いレターでは、弊社が「Twitter広告の容認可能なビジネス手法に本質的に対立するビジネスモデルを利用して活動している(operates using a business model that inherently conflicts with acceptable Twitter Ads business practices)」と記されていました。

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“Kaspersky LabがTwitter広告の容認可能なビジネス手法に本質的に対立するビジネスモデルを利用して活動しているとの当社判断(OUR DETERMINATION THAT KASPERSKY LAB OPERATES US
ING A BUSINESS MODEL THAT INHERENTLY CONFLICTS WITH ACCEPTABLE TWITTER ADS BUSINESS PRACTICES)” ※翻訳はKaspersky Lab
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このくだりを何度も読み返しましたが、これが弊社とどう関連するのか、今なお理解することができません。一つ確かに言えるのは、弊社はいかなる書面化されたルール(あるいは書面化されていないルール)にも反したことがないということです。また、弊社のビジネスモデルは、サイバーセキュリティ業界全体で利用されている「我々は製品およびサービスを提供し、利用者はその対価を支払う」という定型モデルと何ら変わるところはありません。レターでは、弊社が違反したという具体的な(あるいは具体的でないにしても何らかの)ルール、標準、またはビジネス活動について言及されていませんでした。個人的には、この禁止措置自体が、Twitter社の標榜する「表現の自由」の原則に反するものと映ります。この点については後に改めて触れたく、まずはその他の部分に目を向けたく思います。

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11人の勇敢な女性たち、スキーに乗って北極点へ

※この記事は2018年4月15日に公開されたものの日本語訳です。

「北極点までまっしぐら」というタイトルもぴったりだったかもしれない。「女性たち、北を目指す」でもいい。彼女たちが目指すのは北も北、それ以上はない北なのだから。

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素晴らしきSAS:10年の歴史

毎年、世界のあちこちで、数々のサイバープロフェッショナルのイベントが開催される。中でも私の一番のお気に入りは、サイバーセキュリティのアナリストを対象とした当社主催のイベント「Security Analyst Summit」(略称「SAS」)だ。年々、内容が充実し規模も拡大している。今年は30か国以上から320名が参加した。ほとんどは欧米からの参加者だが、オーストラリアのエキスパート7名のほか、シンガポール、日本、台湾、マレーシア、サウジアラビアからもお越しいただいた。例年どおり大企業を代表する人々が目立ったが(Microsoft、Google、Apple、Cisco Systems、Sony、Honeywell、Cloudflare、Pfizer、SWIFT、Chevron、Citibankなど)、各国警察のサイバー捜査官ほか、英国、オランダ、カナダ、フランス、中国、韓国、スイス、オーストリア、ルーマニア、カザフスタンの政府機関職員諸氏にも参加いただいた。また、非営利組織および教育機関からの参加もあった(電子フロンティア財団やテキサス大学など)。そして、カンファレンスのパートナーおよびスポンサーとなっていただいたQintel、Avast、Telstra、Microsoft、ThreatBook、Talos、Security Week、Threatpostなどに深く御礼申し上げたい。手短に言うならば、世界各国、多種多様な分野の方々が当社への信頼と敬意を表してくれたということにほかならない。

私同様、SASは世界中を旅するのを好む。つまらない大都市にある大きな国際会議場を避け、温暖な気候の海辺にある魅力的で異国情緒あふれる場所で開催してきた。

これまでSASの会場となったのは、地中海に面したクロアチア、キプロス島、マラガ、メキシコのカンクンは2012年と2015年の2回、それからスペインのテネリフェ島、そしてカリブ海のドミニカ共和国、プエルトリコ、セント・マーチン(シント・マールテン)島だ。そして10周年を迎える今年、我々は再びカンクンに帰ってきた!

始まりは2009年。参加者は60名で、うち55名はKaspersky Labの社員だった! サイバーセキュリティの研究メモや経験をシェアする、そんな素朴な第1回だったが、大規模な業界イベントへと急成長し、300名を超える高レベルな代表者が参加するまでになった(うちKaspersky Labからの参加者は30%程度)。そして10周年を迎える今年は、さらに特別なイベントとなった。参加者も期待を裏切られなかったようだ…。

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