月ごとのアーカイブ:9月 2016

Jaguarに乗ってやってきた英国大使とのひととき

出張合間のモスクワでの小休止中、他ならぬローリー・ブリストウ(Laurie Bristow)駐露英国大使とその同僚の方々を招き、お茶とおしゃべりを楽しむ機会を賜った。残念ながら、ここ5階のベランダにクロッケーの競技場はないのだが(笑)。

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研究開発の国

やあ、皆さん。今回はダブリンからだ!

当社はダブリンに新しいオフィスを開設した。当社に今いくつオフィスがあるのか、曖昧なのだが。このオフィスは、技術と製品コンポーネントの開発に注力し、セールス、マーケティング、ファイナンスの業務は、今のところ予定していない(どれもロンドンで対応している)。いわゆる研究開発の国にある、新しい研究開発施設だ。アイルランドがIT企業に対して特別な配慮をしていることは、すでに何度か記事にしているので、ここでは繰り返さない。ダブリンオフィスはかなり小さく、だいたい30人分の広さだ。グランド運河近くにあるビルのフロア半分を占めている。

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ブラジルのバイク乗り、シベリアを横断する

7月後半、アルタイ滞在中の私はすでにバケーションモードだった。気候は穏やかで、ビジネスも時節柄まったりと進行しており、休暇や夏休みの空気が漂っていた。しかし、ある朝、ブラジルの当社パートナーからメールが届いているのに気付いた。その内容は、のんびりとした日々からかけ離れたものだった。最初は、何かおかしなことになっているな、と思った。差出人はオリンピック前夜に陽に当たりすぎたのかもしれない、とまで(笑)。それからメールを改めて読み直し、Googleでちょっと検索した結果…ぶっ飛んだ。

ありのままを話そう。ロシア語を一言も知らない2人のブラジル人が、人生初のロシア訪問を決めた。そして21日間かけて、サンクトペテルブルクからウラジオストクまでの10,000kmをバイクで旅したのだ。

メールには、この勇気あるバイク野郎たちはちょうどウラジオストクからモスクワに飛んで帰ってきたところで、帰国前に数日モスクワで過ごすと書いてあった。メッセージは明らかだ。それに私自身、2人のヒーローに会って握手し、彼らの冒険談を聞かずにはいられなかった。

ご紹介しよう、職業はITビジネスマン、気持ちは絶望的なまでのロマンチストで、超長距離バイク乗りのロドリゴ・デッソーネ(Rodrigo Dessaune)氏だ。

ちょっと話をするだけのつもりが、シベリア探検についてブラジル人を質問攻めにしてしまい、長時間の「インタビュー」になってしまった。下記にその話をまとめた。実に魅力的な物語だ!

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まさにF1。モンツァにて

さて皆さん、いよいよメインディッシュだ!

モンツァで開催されたF1レース。ここはモータースポーツファンにとっての聖地で、ミラノからさほど遠くない場所にある。そして何と言っても自動車、バイク、レースの爆音サウンド、世界中から押し寄せる人々、景観など!私がここにいるのもそれを堪能するためだ。

この地はまさにモータースポーツ中心の街で、ある入口の前にはイタリア国家治安警察隊「カラビエニリ」がロータス車を出動させていたほどだ(私は見かけなかったが他にもあったかもしれない)。

だが、レース前にはちょっとした違和感もあった。

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作り物の「AI」バブルとサイバーセキュリティの未来

シリコンバレーでは「人工知能」(AI)がブーム、と書かれたニューヨークタイムズ誌の最近の記事は、サイバーセキュリティの近い未来と遠い未来の両方を多くの人に真剣に考えさせるきっかけになったと思う。

たとえばこんな問いだ。

  • 「AI」への熱狂的な関心はいったいどこから来ているのか。今のところ、未来学者の妄想の中でしか存在していないようだが、これはどこへ向かっているのか?
  • 良くても何十年も前に発明されたものを「発明」しているベンチャーや、最悪の場合はバブル状態でしかないことがいずれ明らかになるベンチャーに、投資家たちはあと何百億つぎ込むことになるのか?
  • 機械学習によるサイバーセキュリティ技術の開発で得られる真のチャンスは?
  • この素晴らしい新世界で果たす人間専門家の役割とは?

シリコンバレーでAIの熱狂的な信奉者と話をしていると、時に、福音主義者の集まりに参加する無神論者のような気分になる

ジェリー・カプラン(Jerry Kaplan)氏、コンピューター科学者、著者、未来学者、起業家(シマンテックの共同創業者のひとり)

現在の「AI」領域で起きていることは、シャボン玉に似通っている。サーカスの道化師がシャボン玉を膨らまし続けたら、いずれどうなるかは誰でもわかる。そう、破裂するのだ。

もちろん、大胆な一歩やリスクの高い投資がなければ、素晴らしい未来が現実になることはない。しかし、現在の問題は、「AI」(カギ括弧を付けたのはAIが現時点で存在しないからだ)の熱狂が広がりを見せる中で、スタートアップの幽霊企業が登場し始めたことだ。

スタートアップが何社かあったところでたいしたことはない、と言う人もいるかもしれない。

大問題なのは、こうした幽霊スタートアップ企業が「AI機械学習」を取り巻く高揚感の新潮流に乗って、100万単位どころか10億単位で投資を惹きつけていることだ。そもそも、機械学習は何十年も前から存在する。最初に定義されたのは1959年で、70年代に研究が進み、90年代に開花し、今なお開花し続けているのが現状だ!そして現在、この「新しい」技術は「AI」という単語に置き換えられ、最先端科学のオーラを身にまとった。こうして、もっともらしいパンフレットが作成され、華やかで洗練されたマーケティングキャンペーンが展開されている。これらすべては、奇跡を信じたいという人間に絶えず付きまとう弱さを狙ったもので、いわゆる「従来の」技術を巡る陰謀論も添えられている。しかも悲しいかな、サイバーセキュリティ業界もこの新しい「AI」バブルから逃げ切れなかったようだ…。

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