キリマンジャロ踏破

今回は、キリマンジャロ登頂の詳細をお伝えする。写真、解説、感想、そして意外な真実をお伝えしよう…

準備を整えて、いざ出発!…

1日目:レモショ登山口 – ムティムクブワ

  • 標高:2,400m > 2,800m
  • 移動距離:4km
  • 平均時速:2km/

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というわけで出発した。ああ、クリスマスにアフリカにいるのは実にいい気分だ。モスクワにいれば足元は雪に埋もれているだろうし、西欧なら雨や雪に濡れるし寒いしで、しょぼくれた気分になっているだろう。これ以上の場所はあるだろうか?(笑)

1日目は、アフリカの雰囲気を味わうのにもってこいの赤道地域らしい天気だった…

まず赤道地域独特の林に囲まれた登山道を登った。中でも独特なのは、熱帯性の苔の塊が木々から垂れ下がっている様子だ。こういう林は、頻繁に降る雨のせいでひどく濡れているので、防水仕様の装備が不可欠。テントや寝袋を入れたバックパックももちろん防水だ!

午後遅く、最初のキャンプ地に着いた。標高2,800m。ぬかるんだ土の上にテントを張ったので濡れて汚れてしまった。やれやれ。とはいえ楽しいこともある。そこかしこの木の上にサルがいるのだ!時々キャンプ地の食べ物を求めて降りて来たり、新参者に愛敬を振りまいたりしている。

2日目:ムティムクブワ – シラ1(昼食) – シラ2(1泊)

  • 標高:2,800m > 3,500m+700m)(シラ1まで) > 3,900m(シラ2まで)(+400m = 1,100m
  • 移動距離:7km(シラ1まで) + 6.5km(シラ2まで) = 13.5km
  • 平均時速:4km/

2日目、進むスピードは明らかに遅かった。(文字どおり!)息をするために何度も休憩を取った。何も我々が怠けていたのではなく、熱帯雨林が形成される高度を越えて、ツンドラやパンパのような樹木のない低酸素地帯に入ったためだ。このようなところを全速力で進むのは愚かなこと。高山病はできる限り避けたい。かくして我々はゆっくりと歩みを進めた。行くべき方向はただ1つ、上だ!

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シラ1キャンプ地:

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1つ目のキャンプ地よりも土が少なく草が多い。

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キリマンジャロ版ツンドラかと思わせる風景の中に屋外トイレが程良く点在している。

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さらに先に行ってみると…道路が開けていた!これは予想外だった!(結局この後は下山の途に就くまで道路を見ることはなかったが)。

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シラ2キャンプ地:

3日目:シラ2 – ラバタワー – バランコ

  • 標高:3,900m > 4,650m +750m > 3,950m -700m = 1日かけても結局ほとんど高度は上がらず
  • 移動距離:9km
  • 平均時速:1km/時よりほんの少し速いくらい

ここでは、朝起きると目の前にこんな風景が待ち受けている!澄んだ青い空を背景にそびえるキリマンジャロだ。

しかしのどかな風景は長く続かなかった。突然、強い風が吹き始め、どこからともなく現れた雲から冷たい雨が降り出したのだ。なんとも、情けない気分だ。標高4,000m以上のこの場所では、酸素が非常に薄いせいで余計に悲しくなる。

ラバタワーに着くと、ますます陰鬱な感じになった。深い霧、強くなる雨、薄い…とにかく薄い空気。全員が明らかに沈んだ気分になった。おい、待てよ!まさか!まるで高山病の第2段階の症状じゃないか!そこで我々は互いに励まし合って前向きなことを考えるように努めた。これから待ち受けている冒険、得られる達成感のことを考えた。そうすることで、多少は気持ちが紛れたが、結局この不穏な悪天候から逃れるために少し低いところに下りる必要があるとの判断が下った。そうすれば、低酸素環境への順応も、より着実に安全にできるとのこと。我々としてはもちろん、従うしかない。

ラバタワーから下方のキャンプ地までの谷を歩いている時に、思いがけない固有種の植物に出会った。この珍しくも実に魅力的な木はキオン属のものではないかとガイドの女性は言った(Wikipediaは別の意見のようだが(笑))。

しかし呼び名はどうでも構わない。言いたいのは、とにかくこの植物(木)がすごいということだ!

地平線の上に見えるのが、次のキャンプ地、バランコだ。

その後我々を待っていたのは、下の写真にある、ほとんど垂直に切り立つ山だった!いやはや驚いた。この山に登ると告げられた時、一行はぎこちない沈黙に包まれ、どの人も顔が青ざめ、胃がきゅっと締め付けられたようだった。

4日目:バランコ – カランガ。溶岩壁登り。

おそらくこの日の行程がツアーの中で(もちろん実際に山頂に登る時を除いて)最も興味深いものだったのではないだろうか。個別の記事で取り上げる価値があると思うが、それは後日。ひとまずここではその日の数字を挙げておく。

  • 標高:3,950m > 4,250m(壁の頂上)(+300m >谷を下って3,950m -300m >キャンプ地に上って4,050m。ずいぶん上がったり下がったりしたが、トータルで高度はわずか100m上昇したのみ。
  • 移動距離:5時間かけてたったの4km。時間の面でも距離の面でも易しかったとは到底言えない。詳細は別の記事で
  • 平均時速:8km/

そしてカランガのキャンプ地に到着!

その翌日は単純な行程だったと言っていい。まずまず歩きやすいところをたった3km進めば良かった。おおむね順風満帆だった。といっても足元はでこぼこだったが。何度も休憩し、たくさん写真を撮った…結局トータルで時速1kmにも満たないスピードになった!覚えておくといい。キリマンジャロに登る時は、「ゆっくり」が一番。

5日目:カランガ – バラフ

  • 標高:4,060m > 4,700m = 600m
  • 移動距離:わずか3km。ただし非常に美しい3kmだ!

Rise&shine at #Kilimanjaro // Вставай и пой на #Килиманджаро

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ここに来ると植物はめっきり姿を消し、石と火山砕屑物ばかりの荒涼とした風景になる。草木といえば、ところどころに少しばかり耐寒性の草が生えているのが見られる程度だ。それはつまり、いよいよ本当の山、本当の高山に来たということだ。あるのは岩、雪、氷、そして登山客だけ、あたりを覆うのは身を切るような寒さだ。

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ここがベースキャンプ。ここから山頂を目指す!

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大事なのは、パニックに陥らないこと、深呼吸すること。

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6夜目:登頂

夜に高い山の頂上に登るのは初めてだった。しかもこの高度。個人記録更新だ。

5日目の終わりに、山頂までの最後の行程に備えて着替えて装備を整えたが、夕食(17時30分)後の数時間はテントの中でただ横になって過ごした。それから23時に起き上がり、キリマンジャロ山頂までの夜間トレッキングを開始した。寒さに震えながら…

最初は問題なかった。着実に前進しており、周囲が暗いのがちょっと珍しいくらいのことだった。その後、5,000m地点を過ぎると急に様子が変わった。寒さ、疲れ、薄い空気…だが一番つらかったのは頂上まで最後の上りだ。900mほど上昇し、冷たい暴風雨のまっただ中に入って行った。手袋や帽子や上着といった防寒装備を整えて来た理由がその時わかった。まさかアフリカでこんな格好をすることになるとは誰が思っただろう?

午前8時40分にステラポイントというカルデラに着いた(ステラという名前の人を連れて来れば良かったかもしれない)。Googleマップではあまり詳しいことはわからない。ここまで歩いてきた脚の疲れ、ここで息をする難しさ、高山病の兆候に近い頭痛のつらさ(頭の上に何か重いものがのっているような感じ)は伝わらない。そんな状態だったが、我々はここで「ほっと一息」ついた。

まるで疲れ方が足りないとでも言わんばかりに、我々はとことんまでやることにした。カルデラの最高地点まで登るのだ!何だって!これ以上つらい思いをしようと言うのか!もちろんそうだ!これほど長い道のりを、これほど近くまで来ておいて、最後まで行かないという選択があるだろうか?というわけで我々は重い足を前に運んだ…

2時間後…

やったぞ!

ここが本当の最高地点。この写真は同行した現地ガイドたち。確かに全員揃っている!

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そして我々。

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というわけで、我々はキリマンジャロに登頂した!おお、そういえばこの日は大晦日!アフリカの火山にいて標高6,000m近い場所で年を越せるなんて最高だ!

次の行程は、下山…

歩いて…

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写真を撮って。

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そして、新年にふさわしい達成感とお祝い気分に包まれて2016年を迎えた。やっほう!!

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それに怪我人もなし!良かった。怪我をしていたらこんなキリマンジャロ式ストレッチャーで運ばれるところだった。

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エピローグ

キリマンジャロの統計データによると、山頂を目指して出発した人の中で実際に頂上にたどり着くのはわずか45%だという。興味深いことに、ルートが長いほど、成功率は高くなっている。たとえば、5日間の短距離ルートでは、登頂成功率はわずか27%だが、我々が選んだ7日間のルートだと64%、8日間のルートだと85%(8日間のルートは、我々と同じ行程にシラ1での1泊が加わる)。

レモショ登山口を出発した時点で、我々のグループは8人の登山客、モスクワからのガイド1人、現地ガイド4人、ポーター約30人で構成されていた。その後ベースキャンプで女性1人がこれ以上進むのを断念して脱落した(言ったとおり、大変なのだ!)。その後、カルデラの端からステラポイントまで登ることができなかった女性が1人いた。本当に無理だったのだ。高山病にかかってしまっていた。最後の行程はガイドに運ばれて移動した。少なくともそれなら、山頂に行ったと言える。その後、速やかに運ばれて下山した。その女性は連れの人を伴い、カスペルスキーの旗も持って行ってしまった(苦笑)!!

というわけで、当初8人いたグループのうち5人が山頂まで登ったことになる。割合にすると62.5%で、平均より高い。よくやった!

キリマンジャロの最高地点は、古い火山のカルデラで、観光客はたいていそこに案内される。だがカルデラの中には新しい火山錐がある。新しいもので、(私が思うに)わずか数百年前にできたものだ。しかしこの火山錐はどの地点からも簡単に見えるわけではない。そんなわけで、できることならカルデラ内に1泊して、それから翌日改めて新しい火山錐を探索するのが理想だ。だから、私にとって「キリマンジャロの山頂に立つ」というのは本当のところ、このカルデラ内にある新しい火山錐の頂上に立つことなのだ。まあいいだろう。これでまた来る口実ができる。次こそ正真正銘のキリマンジャロを体験するのだ。

キリマンジャロ探検のその他の写真はこちらにある。

では皆さんまた!…

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