世界で最も美しい国々 – 新集計法

さて、今回は自然と人間が作り上げた美しさについてだ。なぜかというと、それは…

つい先日、どこか(場所を思い出せない)で「世界で最も美しい国」というフレーズを目にした。その時は特に深く考えなかったのだが、近い将来思い起こすことを予期してか、無意識に記憶していたようだ。かの潜在意識というやつか。

果たしてその数週間後、ひょんなことからそのフレーズが気になり始め、インターネットで調べることになり、予想に違わず多種多様な「世界で最も美しい国トップ10/20」のようなリストが見つかった。で、実のところ…そのほとんどが、中南米や中国中部、カムチャツカ半島千島列島に行ったことのない人が作ったかのような疑わしい代物だった。

確かに、世界で最も素晴らしい国々を決めるのは単純なことではない。美しさは主観的なもので、その判断基準もまた主観的なのだから。では、どんな基準を使うべきか、またはどんな基準を使えるのだろうか?

実は私自身、この種のリストについてはちょっと先取りしている。私が選んだ世界必見の地TOP100だ。今回披露するリストでは、美しさの度合いを、国の領土を加味して計算できるようにした。これなら、「一国にある美しい場所の数」で勝敗を決めるのではなく、「全体として最も美しい国」を選ぶことができるはずだ。

計算に取り掛かる前に言っておくが、実は都市のTOP20リストもある。これも念のため考慮することにしよう。

では、始めようではないか…

以前作ったTOP100リストを眺めていたところ、領土あたりに存在する美しい場所の数を集計していくだけで、計算らしい計算はまったく不要ということに気づいた。結果は最初から明らかだ。トップは断トツで…シンガポールだろう!シンガポールは都市のTOP20(美しい「場所」は1箇所)にランクインしていて、領土は狭い。1を小さい数値で割れば、十数箇所の美しい場所が何百万㎢もの領土に散在している他の国よりも明らかに優位に立つことになる。理屈はおわかりいただけるだろうか?

まずは、美しい場所が1箇所しかない候補はすべて除外しよう。他には?そうだ、いくつかの美しい場所は国境をまたいでいる。たとえば、イグアスロライマがそれだ。2つの国に広がるパタゴニアもそうだ。こういった場所は、それぞれの国に属しているものとして計算では割り引いて考えよう。

それともう1つ、イレギュラーな要素がある。たとえばニュージーランドだ。私のTOP100リストでは、6箇所の美しい場所が「ニュージーランド」として1つにまとめられているが、今回の集計では別々の場所としてカウントすることにした。このルールを米国、ロシア(カムチャツカ)、中国、インドネシアにも当てはめる。また、ユタ州のレッドロック地層は何百箇所もの美しい場所としてカウントされる可能性があるから、単純に、すべてのレッドロック=1箇所の美しい場所としてカウントする。カムチャツカと中国についても同じだ。最後に、TOP100の候補に挙がっていたが、ランクインしなかった場所もすべて含めておこう。のけ者扱いされたと思われないように(笑)

あともう1つ、今回はランキング対象外だが私の大のお気に入り、カムチャツカの集計結果もお見せしよう。国全体としての候補と比べるために(持論を証明するために(笑))。カムチャツカ自体は候補とならず、カムチャツカの美しい場所は「ロシア」に入る。

そして候補となる18か国がこちら。

TOP100に入っている場所 TOP100の候補 TOP20に入っている都市
1. 米国 15 2 3
2. メキシコ 3 1 0
3. エクアドル 2 0 0
4. ベネズエラ 2 0 0
5. ペルー 2 0 0
6. ブラジル 2 1 1
 7. チリ 3 1 0
8. アルゼンチン 2 1 0
9. イタリア 3 0 2
10. ギリシャ 3 0 0
11. ロシア 12 4 1
12. トルコ 2 0 1
13. 中国 15 2 1
14. 日本 1 1 2
15. ベトナム 2 0 0
16. インドネシア 4 0 0
17. オーストラリア 5 2 2
18. ニュージーランド 6 0 0

ランキングの対象外だが、カムチャツカには美しい場所が7箇所もある。

インターネットで国の面積を調べれば、私の集計結果を確認できるだろう。

それでは皆さん、いよいよ新集計法による「世界で最も美しい国」の発表といこう。

優勝は…ギリシャ!面積100万㎢あたりの美しさの得点は合計22.7点だ(別の言い方をすれば、ギリシャの領土およそ13万㎢の中に美しい場所が3箇所ある)。

そして、第2位は…ニュージーランド、美しさの得点は22.5点だ。

第3位は…16.6点のイタリア

リストの下位にはブラジル、ロシア、そしてアルゼンチンが並ぶ。これらの国々には美しい場所が数多くあるが、広大な領土に点在しているのだ。

だが、何と言っても地球上で最も美しい場所は(1秒たりとも迷うことなく断言するが)カムチャツカ、美しさの得点の集計結果は26点だ。残念ながらカムチャツカは国ではないので番外だ!

ちなみに、最終的なリストがこちら。

得点
0. カムチャッカ(番外) 25.9
1. ギリシャ 22.7
2. ニュージーランド 22.5
3. イタリア 16.6
4. 日本 10.6
5. エクアドル 7.1
6. ベトナム 6.0
7. チリ 5.3
8. トルコ 2.9
9. ベネズエラ 2.2
10. インドネシア 2.1
11. 米国 2.0
12. メキシコ 2.0
13. 中国 1.9
14. ペルー 1.5
15. オーストラリア 1.2
16. アルゼンチン 1.1
17. ロシア 1.0
18. ブラジル 0.5

私の集計結果が正しいのは確かだ。「国の美しさの得点」の集計ロジックにはもちろん異論もあるだろうが、その意見をコメント欄に寄せる前に、皆さんの集計方法でリストを作ってみてほしい。そして、どんどん私のTOP100リストを改良してくれ!

今日はこんなところだ。機会があればぜひ、TOP100の地をできるだけたくさん訪れてほしい。

コメントを読む 0
コメントを書く