カンクン・カンファレンス2015

十数年前、当時まだごく小さな企業だったKaspersky Labは、文字どおり「境界を越える」決意を固めた。国境を越えて事業を展開する多国籍企業になるということだ。ほどなくして、当社のエキスパートやアナリストが世界各地で活動するようになった。皆、メール、メッセンジャー、電話など、間接的な手段で連絡を取り合っている。これは特に問題ないが、やはり実際に顔を合わせてのコミュニケーションにはかなわない。そこで、大規模なパーティを年1回開催し、皆で集まって、直接会話する時間を持つことにした。当社のITセキュリティエキスパート向け年次カンファレンスSecurity Analyst Summit(SAS)は、このようにして生まれた。

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毎年のことだが、SASは温暖な地域で開催している。しかも、ビーチのそばだ。

cancun-mexico-sas2015-6初日の朝、砂浜に描かれた「#TheSAS2015」が参加者たちを迎えた。

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Morning workout #TheSAS2015 style. Masters of securejitsu

A photo posted by Eugene Kaspersky (@e_kaspersky) on

最初の数年はKaspersky Lab社員だけが参加する社内カンファレンスだったが、2009年に、もっとオープンなイベントにして(覚えているだろうか?サイバーセキュリティでは協力が何より大事なのだ)、社外のエキスパートを数名(正確には5人)招待した。これがうまくいったので、招待するエキスパートを年々増やしている。今年のSASはメキシコのユカタン半島にあるカンクンで、ビーチ沿いのMarriottを会場に開催された。33か国から250人が参加し、そのうち150人は他の企業の社員や報道関係者だった。

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SASの講演者は、自身が手掛けたサイバーセキュリティ研究のうち最も興味深い研究結果を発表するのが普通で、発表内容は、聴衆として話を聞いていた報道関係者の手によって素早く世界に発信される。これはもはや伝統となった。Win-Winの関係だ。当社は調査結果を世界に伝えられる。メディアはエキスパートの話を直接聞いて、すべてを正確に報道することができる。伝言ゲームをしなくてすむというわけだ。もちろん、最初からそれを狙っていたのだが…。正しくない伝聞(不正確な報道、誤報、当社ではなくメディアによる推測)はじわじわと広がってしまうものだが、我々にはどうしようもない。誤った報道をできるだけ少なくするための最善策が、SASを開催することなのだ。

今年は影響力のある報道機関やテレビ局が多数参加した。Wired、Forbes、The Times、France24などだが、もちろん、会場のジャーナリストは誰もかれもツイートしていた…ええと、自分も含め。

今年は2つのプレゼンテーションが世界の報道機関にちょっとした大きな衝撃を与え、世界中のほとんどの全国紙の一面を飾った。

1つは、さまざまなマルウェアを使って30か国、100の銀行から10億ドルを盗んだサイバー犯罪者に関する発表だ(Carbanak)。

もう1つ注目を集めたのは、Equation Groupによるサイバー活動についてのプレゼンテーションだった。同グループの極めて高度なマルウェアは、Stuxnetの子孫と見られている。このニュースが大きな反響を呼び、当社のサイトが一時的にダウンしたほどだ!こんなことはしばらくなかった。十分に準備をして、回線容量を大量に確保していたというのに!また、Ars TechnicaはEquation Groupに関する記事で訪問者数の記録を更新したという。100万ビューを突破したそうだ。

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とはいえ、この2つと比べて他のプレゼンテーションがおもしろくなかったわけではない…

たとえば、「スマート」シティのセキュリティに関する発表や、フィットネスブレスレット(!)の脆弱性というテーマがあった。さらに、CERNをサイバー脅威から守る方法、アラブ諸国を標的とした攻撃、当社の安全なOSなど、他にもまだまだある。間もなく(ほぼ)すべてのプレゼンテーションと録音内容をオンラインで公開する予定だ。が、SASのライブブログは、もうこちらに用意してある。

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チップの埋め込みに関するプレゼンテーションでは、勇気あるKaspersky Lab社員数名が、NFCチップを自らの身体に埋め込むことに同意した!!彼らはなんと、埋め込んだチップをプログラミングして、スマートフォンで読み取ることもできたのだ!

当社のニュースやツイートをチェックしていた人は(前もってお知らせしていたので)、すべてのプレゼンテーションを(ほぼ)リアルタイムで見ることができたはずだ。ニュースを見ていなかった人のために、ビデオアーカイブを用意した。簡単なレビューは、こちらで読んでほしい。

その後は…パーティだ!

いつものように、よく働き、よく遊ぶ。普通のつまらないセキュリティカンファレンスとは一味違う。SASで全力を出し切った後は、思いっきり羽目を外すのだ!参加者全員が、1つの大家族のようになる。Kaspersky Labのパーティは激しく盛り上がるので、パーティは静かな場所で開催することにしておいた。カンクンの人たちに迷惑がかからないように!ジャングルではないかと思うほど何もない場所だった。Wi-Fiもないし、携帯電話の電波も届かない(だからこそ、これほど成功したのだろう)。我々のショー、歌声、ダンス、賞、浮かれ騒ぎがあるだけだ。

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cancun-mexico-sas2015-31テキーラで乾杯!

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毎年、SASを終えるたびにKaspersky Lab社員は皆こう思う。「何という大成功だ。これほどうまくいったことはなかった」。そして必ず、どうすれば翌年はもっと良いイベントになるのか考え込むのだ。だが、不思議なことに(私にはなぜだかよくわからないが)、SASは毎年良くなっている!下の写真の彼らは、来年のイベントを心待ちにしているところなのだろう…

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昨年のSASを見逃してしまった人には、こちらの記事をご覧いただきたい。開催地はドミニカ共和国のプンタカーナだった。

写真はすべてここに保存している。

Adios amigos!

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