※元の英語記事は、2014年6月4日に公開されました。
約束したとおり、私の週1回(くらい)の新連載『サイバー空間からの暗いニュース』(ちょっと違ったか?)の第2回をここにお届けする・・・
今回の主なテーマは重要インフラのセキュリティだ。特に、重要インフラに関して注視すべき問題や危険を取り上げる。製造設備や原子力施設、交通機関、送電網、その他の産業用制御システム(ICS)への攻撃だ。
実をいうと、この記事にあまり「ニュース」はない。先々週のニュースのようなものをお伝えする記事だ。幸い、重要インフラのセキュリティの問題は毎週起きるわけではない。少なくとも、記事にするほど興味深い事件はそうそう起きるものではないのだ。しかし、おそらくその理由は、ほとんどの事件が隠ぺいされるためだろう(無理もない話だが、それでも心配だ)。あるいは、誰も気づいていないからかもしれない(攻撃はひそかに実行されている可能性がある。こちらの方がずっと心配だ)。
というわけで、重要インフラのセキュリティ問題に関する現在の状況とトレンドを示す興味深い事実と、それに伴う脅威を目の前にしてなすべきことについてのヒントを紹介する。
重要インフラの問題には驚くような理由がいくつもあることが判明した・・・
ICSがインターネットに接続されたら、ほぼ100%間違いなく、 初日にハッキングされるだろう
ICSの建造と設置を手がけるエンジニアは、「中断のない安定した運用ができれば、後のことなど知らない!」をモットーにしている。そのため、ハッカーにシステムを乗っ取られてしまうぜい弱性が制御システムに見つかったとしても、システムがインターネットに接続されたとしても、本当にひどいパスワードが・・・たとえば「12345678」というパスワードが使われたとしても、知ったことではないのだ!エンジニアは、システムが絶えず、円滑に、同じ温度で動作することしか頭にない。
やはり、パッチ適用などを実施する場合は、システムの稼働がしばらく停止する可能性があり、実際に停止する。ICSエンジニアにとっては受け入れがたいことだ。とはいえ、これが重要インフラの現状である。黒と白の中間の灰色は見ていない。それとも、必死になって現実から目をそらしているのだろうか?
我々は昨年9月、稼働中の産業システムに見せかけたハニーポットをしかけて、インターネットに接続した。するとどうなったか?1か月のうちに442回の侵入を受け、内部のプログラマブルロジックコントローラー(PLC)にまでアクセスされることも何度かあった。PLCを再プロミングした頭のいいサイバー犯罪者も1人いた(Stuxnetのようだ)。我々のハニーポットの実験でわかったのは、ICSがインターネットに接続されたとしたら、ほぼ100%間違いなく、初日にハッキングされるということだ。ハッキングされてしまったICSに対して何ができるかというと・・・そう、天を仰ぐしかない。まるでハリウッドのアクション映画のような筋書きだ。それに、一口にICSといっても、さまざまな形状やサイズがある。たとえばこれだ。
原子力施設のマルウェア
ニュースソース
続きを読む:暗黒面のサイバー関連ニュース – 2014年6月4日付