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ダーウィンの特許パノプティコン:パート2

面白いことに、世界中の特許を集めてみると実に色とりどりの「景観」が広がるが、各国の発明品にはその国ならではの「味わい」がある。

たとえば、米国の特許はおおむね実用的な傾向にある。実利性をとことん追求したものもあれば、小難しい言葉でディテールへのこだわりを説明しているものもある。私の独断と偏見による過去最高に[適切な言葉を入れてくれ]な特許トップ5をご覧いただければ、わかるだろう(笑)

かたやロシアの発明者は概して野心的で、中には「宇宙」に恋焦がれ、世界、惑星、そして銀河を変えようとしているものさえある。その発明品が滑稽にも「この世のものとは思えない」ほど奇抜だという意味でも「宇宙的」だが。もっと詳しく?よし、もう1つのトップ5を披露しよう。今回はロシア版だ。

では始めよう…

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ダーウィンの特許パノプティコン

当ブログをよくご覧になっている読者はお気づきだろうが、私は最近の特許トロールについてはとやかく言っていない。ここのところトロールは影を潜めているようだが、改心して真面目に世の中に役立つことを始めたのだろうか。お察しのとおり、答えは「No」だ。残念ながら、見るところを見れば、大胆不敵で信じがたい行為にまつわる話は連日ニュースになっている。大きく報道されないだけで、トロールのビジネスは健在だ。

この類いのニュースが他人事でなくなることもある。少なくとも我々にとってはそうだ。つい先日、データパケットのフィルタリング、正確に言えばファイアウォールに関する特許の被疑侵害を主張する訴状をWETRO LANから受け取った。何だと?

彼らが主張するには、そこら中で使われている周知のデバイス、それも10年以上も前に発明されたものに対して、特許を取れるのだという。念のために補足すると、当該テクノロジーはこの特許が現れる前から長年当たり前のように使われてきた。それを今、彼らは自ら主張するところの「特許テクノロジー」の使用料を要求している。ちょっと待て、どういうことだ?!

そう、これが彼らの「ビジネス」だ。2015年から60社以上の企業に対して、彼らは訴訟を起こしてきた。訴訟の対象となった企業の多くは、この特許が存在するずっと前にファイアウォールを開発した企業だというのに。だが、業界は一連の訴訟に対して冷静な態度を見せ、この特許を最もばかばかしい特許の月間賞(Stupid Patent of the Month)にまで選んでいる。

同じくらいくだらないのは、WETRO LANが当社を標的に選んだことだ。当社がこの種の攻撃の「いいカモ」であるはずがない。いつだって特許トロールに断固として立ち向かい、屈したことなど決してない。根も葉もない疑いを示談で解決したこともないのだから。時々応戦はするが、まあ当然だ。彼らの特許は間もなく取り消されるだろうから、鉄が熱いうちそこにあるうちに打つのだ。とことん戦い続けようではないか。相手の弾がなくなるまで。

だが、この種の戦いの話は、どんなに必要だとしてもちょっと多分に不愉快なものだ。そこで、気分を盛り上げてプラス思考でいるために、埃をかぶった古い記録の中から、最も奇妙で、奇怪で、どうかしていて、矛盾に満ちた特許を掘り起こしてみることにしよう。皆さんがいつか「トンデモ特許法侵害」の当事者になったとき、彼らがどこに食いついてくるか、ポイントがわかることだろう(笑)

では、早速…

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特許トロールを利用する投資家

起業にはリスクが伴い、勢いがつくまでに時間がかかる。多額の資金を用意しなければならず、先を見通す才能や、儲かる投資先をみつける嗅覚も必要だ。ビジネスが本当の意味で軌道に乗るには何年もかかり、早期に廃業しない新興企業は20社に1社といったところだろう(もっと少ないかもしれない)。

ベンチャー投資家は昔から新興企業に資金を提供してきたが、最近、新しいタイプのベンチャー投資家が出てきている。「神経をすり減らしてまでリスクの高い新興企業に金を出す気はない。簡単に儲けられる投資先なら、特許トロールがいるじゃないか」という投資家だ。こういった新手の投資機関の1つに、Bentham IMFがある(サイトアドレスは意図的に掲載していない。同社のSEO対策を手助けしたくないからだ。どうしても見たいという人は、自分で検索してみるといい)。

やり口は単純そのものだ。裕福な被害企業を相手取った低リスクの特許訴訟に、100万~1,000万ドルほど資金を出す。訴えられた企業は、1件あたり1,000万~1億ドル以上を支払うこともある(つまり、投資額の10倍の利益を狙うということだ)。米国の特許トロールは(敗訴したとしても)被告企業に一銭たりとも支払わず、裁定される「損害賠償額」や和解金の割合は平均で99%にもなる。こういった要因が重なって、事実上利益が保証されたベントチャー投資となっているのだ!

イノベーションなど誰も必要としていないのだから、小規模な特許トロールに「投資」して、革新的な企業から金を巻き上げるを提訴できるようにしてやる方がずっと良いというわけだ。すばらしい。アメリカンドリームという概念が根底から覆ってしまった。今や特許がアメリカンドリームに成り代わっている!

Bentham IMF

もちろん、この法に則ったゆすり行為には表向きの根拠があり、法律の遵守、普遍的な正義、悪質な違反者の処罰を建前にしている。だが、どれだけ理屈を並べたところで、トロールはトロールだ。この純然たる事実が変わるわけではない。 続きを読む:特許トロールを利用する投資家

「消費者擁護」をかたる法律事務所には毅然とした対応を!

法律事務所は、昔から世界中で必要とされ、善意のもとに正義の力を振るってきた。企業のお目付役となり、法を守り、法を行使し、正義を貫く…。多くの人にとって(私もそうかもしれないが)、これが20世紀の弁護士像だったはずだ。しかし、21世紀はどうか…

動物農場を思い出してしまう。もっと正確に言うなら、動物農場の(最初の)第7の戒律「すべての動物は平等である」だ。

よく知られているように、これは後に「すべての動物は平等である。しかし、ある動物は他の動物よりさらに平等である」と改められた。特にこのフレーズが、現代の多くの法律事務所を思い出させる。ある法律事務所は公正で善良であり、なくてはならない存在で、ルールを守る。一方で、他よりもさらに平等な法律事務所もある。公正を欠き、悪質で、余計な存在であり、ルールを鼻で笑う。どうも法の目を逃れて、超法規的に活動しているようだ。誰よりも法を守るべき存在であるというのに!そう、私が言っているのは、法と道徳をねじ曲げ、何も悪いことをしていない大企業から(それほど大きくない会社からも)大金をむしり取ろうとする恥知らずな法律事務所のことだ!

特許トロールについてはもう何度も書いた(トロールには決して屈しないという方針についても)。今回は、当社が先ごろ直面した同様の事件についてお話ししたい… 続きを読む:「消費者擁護」をかたる法律事務所には毅然とした対応を!

暗黒面のサイバー関連ニュース – 2014年6月24日付

※元の英語記事は2014624日に公開されました。

 

特許トロールの続報

悲しいかな、狂騒はまだまだ続く…ときおり、発作的な盛り上がりを見せつつ。実際、特許トロールに関する問題は片付いていない。とりわけ興味深くて「騒々しい」事件しか注目されない、というだけのことだ。しかし、この話題を掘り下げていくと、注目されてはいないが興味深い事件に行き着く。我々はそうやって、特許トロールについてかなりのことを発見した。このブログ記事のタイトルにふさわしい諸々を。それでは見ていこう・・・

皮肉はもう十分

この件については、実はそれほど掘り下げる必要はなかった。Ars Technicaの記事をチェックするだけだった。割とよくあることだが、この記事では特許アグリゲーターであるRPXが称賛されていた。優しくて誠実な企業を装い、孤児や貧しい人々、そしてお姫様を(ドラゴンから)守るふりをしているのがRPXだ。私は自分の目を疑った。記事にはこう書いてあったのだ。「RPXは、特許トロールにしつこく迫られていると感じている企業にメンバーシップを販売している。購入しているのは、Appleをはじめとする多数のIT企業だ。RPXは基本的に、トロールに利用される恐れのある特許を買い占める。多くの企業の購買力を結集することで、特許を格安で購入することができるのだ」。もしかすると、こんな言葉を信じていたかもしれない…自分の経験した偽善行為を思い出して、私はひどく狼狽し、いらだちを覚えた。

RPXがある種の反トロール、つまり特許トロールに対抗する立場であると?これは驚いた…

Patent Trollニュースソース

この、トロールとだという企業に出会ったのは、同社が創業した年のことだ。当社はRPXへ初めて反撃を食らわせ、しかもそれに成功した企業の1社だった。

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特許トロールと戦う10のヒント

最近、特に特許トロールとの法廷闘争で勝利したと大々的に発表してからは、特許トロールとどう戦えばいいのかアドバイスがほしいと聞かれることが増えた。そこで、今回は特許にむらがる吸血鬼たちに一矢報いて勝利を収める10のヒントをご紹介しよう。

その前に、このヒントを提供してくれた当社の社員たち(特許トロールと戦った人たちでもある)に、皆さまの盛大なる拍手を賜りたい:

  • Nadya Kashchenko, Chief IP Counsel
  • Dmitry Polyakov, Head of IP Protection & Defense
  • Nikolay Borovikov, Head of IP Research & Analysis
  • Sergey Vasilyev, Senior IP Counsel

我々はここ数年、特許のピラニアたちとさまざまな国でさまざまなバトルを繰り返してきたが、その中で特許トロール主義に関するいくつかの結論を導き出した。もちろん、国によって経済や社会政治の特性は異なり、特許法もそれぞれ独自のものが制定されている。それでも、若干の違いはあれ、トロール主義のパターンはどこも総じて変わらない。今回は明確さと実用性を鑑み、彼らに振り回され悩むイノベーション企業を抱えた米国の特許事情に絞って解説する。

特許トロールと戦う10のヒント

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特許トロールに圧力を

「予防は治療に勝る」というが、これは特許トロールとの戦いにも当てはまる言葉だ。

私たちはこの格言を胸にDevice Security LLCを告訴し、モバイルデバイスのデータ保護に関する技術を対象とした特許の無効と非侵害を主張している。特許トロールたちとは8年にわたって戦ってきたが、予防的先制攻撃に打って出たのは今回が初めてだ。

Kaspersky Lab vs Device Security LLC

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「人生とはトロールとの戦いである」*

我々が最近、特許トロールに独力で勝利したことで生まれた高揚感も、少し落ち着いてきた。とてもうれしいことに、さまざまな良いニュースこれとかこれこれこれこれ)を読めたし、ユーザーの皆さんからも勇気づけられるコメントが多数寄せられた。しかし、真の戦いはまだ始まったばかりだ。この先も大変な仕事や論争が数多く待ち受けている(興味深い論争ではあるが)。ということで、今こそこれまでの総括をやるべきときだと思う。

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特許トロールは打ち負かせる – 決してあきらめなければ

やった!太鼓の音、鳴り響くシンバルに、オーケストラの演奏も付けようか。米国で、またもや特許トロールに勝利したのだ!敵は敗北して意気をくじかれ、去っていった。「あきらめるな!」というチャーチルの言葉は正しかったわけだ。我々はこの忠告に従って、あるトロールと戦った。結果としてトロールはあきらめ、逃げていった。

「衝撃、幸福、喜び、そして高揚感が一気にやってきた」

これはN.K氏(Kaspersky Labの知的財産担当主席顧問)がこの勝利を表して言った言葉だ。今回のトロールはなかなか手強い相手で、かなり太い「コネクション」を持っていたのだ。

lodsys

衝撃、幸福、喜び、そして高揚感が一気にやってきた――その言葉に120%同意する。我々は18か月の間、Lodsys(世界最大かつ最も悪名高い特許トロール、Intellectual Ventures(以下「IV」)の「触手」の1つ)と法廷で戦った。この特許トロールは、無条件の完全降伏に追いやられた。そしてまたもや、我々は独りで勝利したのだ。訴えられた他の54社はこのゆすり屋と和解し、情けないことに戦いの場から逃げた企業もあった。この特許トロールはこれまで400社以上のIT企業から金銭をせしめてきたのだ。

もう少し詳しく話そう。

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決してあきらめない、特許トロールとの戦い

正当な見返りを得られるまでには、恐ろしく時間がかかることがある。しかしありがたいことに、最も忌むべきものの1つである特許トロールに、ついに直接的な制裁が下されようとする兆しが現れている。

私は以前の記事で、特許トロールについて、また特許トロールとの戦いで求められる事柄について話した。

何が必要とされているのかを簡単に振り返ってみよう。

  • 特許の使用に制限を設ける。特許取得より前の期間にさかのぼって権利を主張できないようにする。
  • トロールが敗訴した、または訴訟を取り下げた場合、被告の費用全額をトロールに賠償させる。
  • 特許アグリゲーターによる提訴を禁止する。
  • 特許の説明において詳細さと正確さを要求する。技術的な専門家による審査を必須とする。
  • 重要ポイント:アイデアではなく、具体的な用途を特許の対象とする。

米国の議員たちは、私のブログを読んでいるのではないかと思うことがある。バーモント州でついに、あることが成し遂げられた(世界のあらゆる場所で、というわけにはいかないが)。反トロール法が施行されたのだ。

この法律には興味深い点がたくさんあるが、私が一番気に入っているのは、トロールのやり方が正しいものではないと証明すれば、被告側の企業はすべての訴訟費用を特許トロールに要求できることだ。 続きを読む:決してあきらめない、特許トロールとの戦い