2016年6月3日
アイ・ノウ・ユー・ガット・ソウル
世界のどこにいても地下鉄に乗ることは滅多にない。移動はたいてい、飛行機~車~ホテル(または自宅)~車~オフィス~車~ホテル(または自宅)~車~飛行機…といった具合だ。空港のターミナル間を移動する電車に乗ることはよくあるが、市街の地下鉄にはまず乗らない。
しかし先日のソウル出張で、ぜひ地下鉄に乗ってみるといいと勧められた。最寄りの駅はホテルからほんの200~300mほどの距離だったので、それなら乗ってみようということになった。
感想は?と言われれば、そう、いくら私が自宅のすぐ近く(の地下)にあるモスクワの美しいメトロを見慣れているといっても、ソウルの「首都圏電鉄」は確かになかなかすごい。新しく、モダンで清潔、管理が行き届いていて、快適で大規模だ。1974年に開業したばかりなのに、未だに拡張が止まらないモスクワメトロの2倍、ロンドン地下鉄の1.5倍の規模だ。なんと。韓国人は本当に地面を掘るのが得意のようだ。
1日の利用者数でいえば、世界で3番目に混雑する地下鉄だそうだ!だから私たちは日中を選んで乗った。ラッシュアワーにはタクシーを使った。もちろん道路も混んでいるが、現地の案内人から地下鉄の方が遥かに「渋滞がひどい」と聞いたので、そんな時間帯に「韓国の首都を地下鉄で巡るガイドなしミニツアー」を決行しなくて正解だった。
混んでいない時間帯のソウル地下鉄はとても快適で便利だ。私の知る限り他の地下鉄では見られない珍しい見どころもある。たとえば、韓国代表女子バレーボールチームの選手たち「と一緒に」写真を撮れる「フォトゾーン」。同行者A.B.は、こんなチャンスを逃すものかとばかりに…
こちらは「不老門」。王朝時代には王だけがこの門をくぐることができたが、現在は誰でもくぐっていい。くぐった人は「would not be old forever」とのことだが、これは「決して年を取らない」という意味だろう(笑)
こちらは、隅に設置された棚に用意された、清涼飲料水…ではなくガスマスク!おそらく他の化学兵器汚染防止キットも入っているのだろう。一瞬ぎょっとしたが、戦争の最前線にある都市なのだから、当然こういうものがあってもおかしくないのだろう。
それからこちらは朝鮮王朝の宮殿、景福宮だ。700年以上前に建てられ、数回火災で焼失し、どこかの友好的ではない隣人たちに破壊されたこともある(隣人たちの名前は挙げないが、英国の司法が目下「権利を守ろう」としているある話を思い出した(ネット経由で人々に知られずに済むわけはないのだが…笑))。再建され、また火災に遭い、そしてまた復元された。最近になって改修され、塗り直されてきれいになって、実に立派だ。どの部分が1300年代のままで、どの部分が新しいのか、ほとんど見分けがつかない。もちろんそんなことは問題ではないだろうが。
景福宮の敷地内は、壁でいくつかの区画に仕切られ、ところどころに宮殿への出入口が設けられている。建物の名前などは漢字で刻まれている。ハングルが考案される前の14世紀に書かれたものだからだ。北京の紫禁城を思い出す。様式という点ではどちらがどちらに影響を与えたのだろうか?景福宮の方が古いということは…読者の中で東洋史の専門家を目指している人はいないかな?
私が受けた印象では、景福宮の方がやや小さいが、その分より明るい感じだ。広々とした美しい空間、青い空、楽しそうに散策する観光客。実に気持ちがいい。
それに、この色!鮮やかで、増殖するような反復模様…催眠術にかかってしまいそうだ!
古い民族衣装に身を包んだ現地の人たちがあたりを歩き回って写真を撮り合っている…
周りの風景は、高層ビルが立ち並ぶ都会そのもの!…
街角にひっそりと佇む不思議な像…
市場!ふむ、縞模様のあるこれは何だろうと思ったら、韓国のメロンだという。日本のメロンと同じくらいおいしいのだろうか?
果物や野菜に混じって…まがい物の時計も!
こういうところは大好きだ。
旧市街の名残。こういった地域の再開発は禁止されているようだ。すると、頭上でごちゃごちゃと絡み合っているこの電線も変えてはいけないことになっているのだろうか?
新羅ホテル。実に美しい。韓国で一番のホテルだと聞いていたが、実際に泊まってみて本当にその通りだと思う。
4階も13階もない!(この地域でも4は不吉な数字なのだ)。
というわけで、ソウル街歩きはこんな感じだった。
その後、ちょっとした仕事の予定があった。世界のボーダーレスサイバー社会を守るための仕事だ。
A.B.のコメント:
—>8—
おお!タクシーの後部座席にバックミラーが!
ドアを開ける時に人にぶつけないか確認できるように付いているのだろう…
韓国では車のスピードがとても速い。帰りに空港に向かった時の車は平気で時速160kmになった時もあった。それでも追い越されることが多かった。
—8<—
私自身は時速160kmになったのを見ていない。車中で眠ってしまったのだ。出張中は毎日が長い1日だったが、それぞれ充実した1日だった(笑)