2015年7月28日
サンクトペテルブルクで鉄道祭り
ひとくちにミュージアムといっても、いろいろなところがある。
本物の(本来の意味で)美術館や博物館もあれば、展覧会、エキシビション、インスタレーションもあるし…他にその種のイベントを表す言葉としてどんなものがあるだろうか?グラフィティがある!ちなみに、センスよく描かれた質の高いグラフィティは、エキシビションなのだろうか、インスタレーションなのだろうか、それとも破壊行為か?最後の言葉を消したのは、優れたグラフィティ(私見によれば)は本物のアートだからだ。おっと。本題に入る前から本題を外れてしまった。いつもこうだ…
さて、ミュージアムの話だ…
サンクトペテルブルクはミュージアムであふれている。世界随一のミュージアム集積地といっていいくらいだ。
とはいえ、サンクトペテルブルクにあるミュージアムを、たとえばルーブル美術館や大英博物館と比べれば、いくらか見劣りするかもしれないのは承知している。それでも、サンクトペテルブルクが経験してきた過去の困難を考えれば、この街のミュージアムはちょっとした奇跡だ。ミュージアムは、帝政時代以降まともに保護されなかった。70年以上に及んだ共産主義体制下ではもちろん、第2次世界大戦も芸術保護活動にとっては大きな障害となった。ソ連崩壊後の現在も相変わらず、この街のミュージアムは、西側諸国のように国や慈善団体から惜しみない支援を受けることもなく、放置されているような状況だ。あるいは私の考え違いかもしれないが、私にはそう見えるのだ。私が間違っていたらぜひ訂正してほしい。
また話が逸れてしまった…わかっている。本題に戻ろう…
サンクトペテルブルクといえばお決まりの行き先がある。子どもたちが課外授業で出かけるような、典型的で、無難で、伝統的で、ベタなミュージアムだ。だから私たちは当然の成り行きとして、ちょっと見方を変えて、伝統に対抗し、常識に逆らって、型破りにいくことにした!私たちは…鉄道博物館に行ったのだ!
単刀直入に言って、本当にお勧めだ。特に小さな男の子には(おっと、近頃はこんなことを言うと男女差別と言われてしまうだろうか?)。おもちゃ屋さんの男児向けコーナーは、そう、半分が列車で占められている。そしてここは、列車天国だ!ここには、美しいものから恐ろしげなもの、ごく普通のものから変わり種(これが一番面白い)まで、鉄道に関わるあらゆるものが展示されており、鉄道というこのユニークでかっこよくてロマンのある輸送手段の歴史を通覧できる…
前口上はこれくらいにして、あとは写真に語らせよう。もっと詳しく知りたい人は、この頃はインターネットというものがあるから、調べてみるといい。写真に写っている案内板の文字を拡大してみるのもいいだろう。
レバーのついた大きな車輪。うーむ、この種の力学を物理用語で何と言うのか忘れてしまった。誰か知っている人は?
先ほど変わり種と言ったが、このとおり一風変わった装置もある。過ぎ去りし時代のシンボルもしっかり健在だ…
何となくかわいい輸入ものの機関車、いかにもソ連時代らしい車両入れ替え用機関車、世界的な高速を誇るディーゼル機関車。
線路を走る巨大な兵器…
というわけで、もしサンクトペテルブルクに観光客としてしばらく滞在することがあって、一般的な観光スポットに少々飽きてきたときには、目先を変えてここへ行ってみることをお勧めする。いつのまにかゆうに2時間は経っていることだろう。楽しい時間というのは飛ぶように鉄道のように行き過ぎるものだから!
サンクトペテルブルクの写真はすべてこちらにある。