2013年12月9日
海外旅行に時差ぼけはつきもの
最近キャセイパシフィック航空で、サウジアラビアの首都リヤドからアブダビと香港を経由して日本まで行った。アブダビでは、F1グランプリのために3週間前にも同地を訪れたことを思い出した。そう、私はまた世界一周の旅をやってのけたのだ。ダブリン – アブダビ – キャンベラ(とシドニー) – シンガポール – オースティン – リヤド – アブダビという具合に地球を1周し、赤道を2回越えた。
この地球周回の旅で強く印象に残っていることをお話ししよう。
まず、サウジアラビアは(いろいろな意味で)すさまじく乾燥した国だ。同国で酒を飲むと、鞭で何度も叩かれ、罰金を科され、刑務所に入れられる。だが、いずれにせよサウジアラビアでの酒盛りは難しい。コーヒーやヨーグルトより濃い味の飲み物はどこにも売っていないからだ。リッツ・カールトン・ホテルでも飲めない。
興味深いことに、どの航空会社もサウジアラビアの領空を飛行している間は酒類を提供しない。一滴たりともだ!サウディア(サウジアラビア航空)に乗ったときはある程度予想できたことだったが、キャセイでも、UAE領空まで長い間シャンパンを我慢しなければならかった。もちろん、何か酒を飲みたくてたまらなかったわけではないが(ゴホゴホ)、気付けに一杯くらい出してくれればよかったと思う。
ここでもう1つ、世界各地を飛行機で回る旅の特異な点についてお話ししたい。
これには、太陽を追いかける「西回り」と、太陽に向って行く「東回り」の2種類がある。
世界を西に回る方が東回りの旅よりはるかに簡単で快適だ。「マイナスのタイムゾーン」に向かって飛ぶので、就寝時間がその分後ろにずれ(ずっと後の方がいいが)、朝起きる時間も遅くなる。たとえばモスクワからボストンまでのフライトの場合、ボストン時間の夜9時は、モスクワでは(つまり体内時計では)翌日の朝6時。就寝時間はとっくに過ぎている。モスクワから来た人にとっては実質午前6時なので、ボストンで午後9時というあり得ないくらい早い時間に眠りにつくのはとても簡単だ。問題があるとしてもせいぜい、(現地時間の)翌朝4時など、非常に早い時間に目が覚めてしまうことくらいだろう。(米国には数え切れないほど行ったが、午前6時ちょうどの朝食までロビーや辺りを何時間も歩き回って時間をつぶし、さらに「お席にご案内するまでお待ち下さい」という看板の前で待たされたことが何度もあった)
一方、東回りの世界旅行は何もかもが正反対だ。時差への対策は毎回ずっと大変になる。四六時中眠くて眠くてしかたないが、実は薬の力を借りずに眠るのは不可能に近い。完全に生ける屍状態だ!この状況を打ち破る手段はたった1つ。昼間は一生懸命に働き、12時間ほど寝ることだ。できれば14時間寝ておこう。しかし、残念ながらこの方法が必ずうまくいくとは限らない。単純に体内時計がまったく言うことを聞いてくれない(ヒント:メラトニン)という場合もあるし、スケジュールがぎっしり詰まっているときもあるだろう。あるいは、親切すぎるホストの度を越えたおもてなしのせいで眠れないこともある。
さて、今回はここまでにしておく。待ちに待った眠りの時間だ。おやすみなさい、よい夢を。みなさんもしっかり睡眠をとってほしい。
眠れない人は、ちょっと頭の体操をしてみよう。
100kgのキュウリは99%が水分でできている。縮んだ後に、98%の水分が残った。縮んだ後のキュウリの重さは何kgか?