東京の雨、地殻変動の疑問、ロシアの広大な大地、暮れない夕暮れについて

※元の英語記事は2018年6月26日に公開されました。

6月の東京は雨の季節だ。

あらかじめそう聞かされていたし、スーツケースに傘を入れて行けばしのげるだろうと考えていた…しかし、こんなことになるとは!昼も夜も容赦なくノンストップで土砂降りが続くとは思っていなかった。

例のごとく、東京へは仕事で来ていたし、例のごとく、私としては観光も多少しないわけにはいかないと思っていた。だが、降り止まない大雨のせいで結局そんな機会はなかった。なんとも悔しい。

ありがたいことに、雨が降り始める前にかろうじて日本ならではの休息とリラックスの時間を取ることはできた。箱根方面に車を走らせ、旅館に部屋を取り、温泉に浸かって旅の疲れを癒やした。それからキリンとサッポロを絶え間なく流し込み、夜が更けてからは熱燗と冷酒を(そして響も)、おいしい桃の飲み物をチェイサーにしてちびちびやり、こうしたあれこれのおかげですっかりくつろぐことができた。まあ、その話はまた改めてするとしよう。

東京に来た日の話に戻る。幸い平日だったので、雨のことはさほど気にならなかった。

東京の雨はこれほど強く、いつまでも降り止まないものだっただろうか。前回6月に東京に来たときはどうだったか考えてみたが、思い出せなかった。そこで記録を確認してみた。前回は2010年。そうだった、あのときは世界一周マラソンとでも呼べるくらい長い連続移動の途中で立ち寄ったのだった。モスクワ、サンパウロ、イグアス、ブエノスアイレス、ボゴタ(ちなみに、アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトルの噴火があったときで、飛行機がほとんど飛ばなかった)、ロンドン、香港、ハノイ、ホーチミン市、バルセロナ、コルフ島、シドニー、サーファーズパラダイス、ウルルラルナカ、東京、パリ(ルマン)、そしてモスクワ。

…話が横道に逸れたようだ。

とにかく、そのとき東京に寄ったのが6月だった…確かに、多少は雨が降ったが、土砂降りではなかった!

6月の東京は11月のサンクトペテルブルクに似ている。雲が低く垂れ込め、薄暗く、陰鬱で、興ざめもいいところだ。そんなときは、もういっそミニバーを開け、『ロスト・イン・トランスレーション』のワンシーンのように、窓辺に腰掛けて過ごしたい気分になる。現に私はそうした…

そういうわけでミニバーを開けたとき、こんなおつまみが目に留まった。

ん?

マウナロアハワイ島にある火山(というか、ハワイ島を形成している火山の1つというべきだが)で、ナッツとはまったく関係がない。また話が逸れたって?いや、あながちそうでもない。これを見て、数年前からずっと疑問に思っていたことを思い出したのだ…

ハワイ島が地殻構造プレートの運動によって生まれたものであることは周知のとおりだ。プレートが数千万年かけてホットスポットの上を移動したときに(つまり、こちらも数千万年かけて)いくつもの火山が一直線上に形成された。やがてそうした火山が噴火し、その結果、新しい島々ができた。

下の写真で、太平洋の海面下にいくつもの島が一直線上に連なっているのがわかるだろう。ハワイ島は、(比較的)新しい火山でできており、北西にあるものほど古い火山となっている。そうした古い火山はやがて崩れて後に環礁と呼ばれるカルデラができ、その後海の底に沈むことになる。

さて、上の写真の一直線の並びは、全体の真ん中あたりで、突然北へと向きを変え、カムチャツカの方へ伸びている(そして北アメリカプレートの下に入り込んでいる。ちなみにこの現象を沈み込みという)のがお分かりだろうか?

そこで、以前から私が疑問に思っていることというのはこうだ。

一体どういうわけで、数千万年前、地殻構造プレートが方向を変えることになったのだろうか?どれほどの力がかかればそのような方向転換が起こるのか、想像できるだろうか?マグマが流れる方向を変えるほどの大きな出来事とは?

なお、それが起きたのは3,500キロメートル分の昔のことだ。ホットスポットの上を移動するプレートの動きのスピードから計算すると、何千万年前にあたるのか?

つまり、そのとき何があったのか?なぜ何もかもが死滅しなかったのだろうか?

+++

それはさておき、ここからはまったく違う話題に移ろう!…

言い忘れていたが、夏に空路で西から東へ移動すると、夜間飛行にはならない。離陸は夕暮れどきだ。しかしそれから外が暗くならない!夕暮れを追いかけるようにして地球の周りを移動していくのだ。だから景色はこんな感じになる!

このとき下はどうなっているかというと…

この雪をかぶった峰々はどこの景色か、おわかりだろうか?…

…これは中央ロシアだ。地図でいうとこのあたり。

ふうむ。中央ロシアの果てしなく広大な大地についてはよく耳にしても、実際どれほどの規模なのかはなかなか把握できない…こうして、永遠に暮れない夕暮れの中でその一部を飛行機から見下ろす機会でもなければ!…

まったく途方もない大きさ!実に気が遠くなるほどの広大さだ。もっと見ていたい!…

…だがそう思っているうちに、気がつくともう中国北部の上空を飛んでいた。そして東京へ向けて下降し始めている。

富士山。

では今日はこのあたりで切り上げることにとしよう。明日もまた日出ずる国からのレポートをお送りするつもりだ…

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