2015年10月23日
フェラーリと、また5年
Signore e signori!
重大発表がある。なんと、Kaspersky Labのロゴがほぼ毎週末、世界中の人が見守る中、真っ赤なあの車体に乗って疾風のごとく駆け抜けることになる。少なくとも、あと5年は!
そう、嬉しいことに、スクーデリア・フェラーリとのスポンサー契約を2021年まで延長したのだ!
「さらに5年?」と不思議に思う人もあるだろう。実は私も一瞬そう思った(笑)。思い返せば、そう、フェラーリとはすでに5年の付き合いがあるのだ!F1チームのスポンサーになると時間があっという間に過ぎていく。もともとの言いまわしは「楽しい時間は飛ぶように過ぎていく」だったかな。だが、それこそがモータースポーツだ。レースに参加しても、観戦しても、スポンサーになっても、山ほどの楽しみがある。事実、知れば知るほど病みつきになる。だから、スポンサーシップ戦略をモータースポーツのルートから攻めて良かったと思う。さらにそれがF1だったのも正解だった。
もちろん、初めはこういったスポンサー契約に懐疑的な人も大勢いた。だが数年後、懐疑的だった人たちが契約更新のセレモニーの写真にしっかり写っていた。そら見たことか!失礼、こういう言い草はよくなかった。
目立ちたいだけの、単なる無駄遣いと思われても仕方がない – ハイオクの魔力、ボンネットの下にある、とてつもなく高価なエンジン、度を越したシャンパンシャワーなど。仕方はないが、その認識は間違っている(笑)。フェラーリとの提携は、Kaspersky Labの事業として慎重に投資が検討された結果であり、さまざまな分野から何倍もの利益になって返ってきている。
もちろん、その1つは何百万人ものモータースポーツファン(特にF1ファン)の目に晒されることだ。だが、それ以外にもパートナー企業や顧客、メディア向けにフェラーリと共同のモータースポーツイベントを多く開催している。また、数年前にはフェラーリとのサイバーセキュリティ契約の入札で落札している。今ではスクーデリアだけでなく、マラネロの工場からサーキットのゴールまで、フェラーリのすべてを守っているのだ!
もう1つ重要なのは、フェラーリとのパートナーシップによって世界の自動車業界に進出する機会が生まれたことだ。自動車メーカーというのは、この極めて特殊な製造業界ならではの特別にカスタマイズされた仕組みを持たない企業、さらに言えば自動車関連事業の実績もないような企業とは、話すらしてくれない。
もっとも、フェラーリとの提携で一番重要なのは、2つの著名ブランドが手を組んだことで生まれるシナジー効果だろう。
主軸とする業界はまったく違うが、ビジネスの本質的な価値は共通している。それは、テクノロジーにおけるリーダーシップとイノベーションへの情熱、そして常に上を目指して切磋琢磨することだ。あとは、スピード感や激しさがあり、事業に彩りを与えてくるものすべてを愛するという共通点もある。さて、壊れたレコードのように同じことを繰り返してばかりというお叱りを受ける前に、このあたりで話を終わりにしておこう。なぜフェラーリと契約したかは、こちらやこちらですでに何度も述べている。
PS:先日、F1第15戦ソチグランプリで(セバスチャン・)ベッテルが2位に入賞した!その前のレースでも表彰台に上がったことを考えると、スクーデリアが本気で返り咲く可能性が見えてきた。2016年のコンストラクターズチャンピオンが我々という可能性は十分ある!