2015年2月18日
世界最大の装置 – その1
この装置は世界最大であるだけでなく、最も高価で最も革新的でもある。当然ながら、コンピューター化も相当進んでいるということだ。どんなアンチウイルスを使っているのだろう(笑)
ここにあるのは現代の奇跡だ。素粒子物理学(物質を構成する要素を研究する学問)の理論面と実践面の両方で最先端の研究が行われている。他にも1950年代から画期的な研究が進められており、たとえば1989年には、World Wide Webというちょっとした発明があった。
そう、ここは欧州原子核研究機構(CERN)だ!国際チームがさまざまな道具を使って小宇宙の世界に刺激を与え、そこで何が起きているかを解明しようとしている。粒子を光の速度で「衝突」させてその反応を調べ、自然界の基本的な法則に関する手がかりを得ようとしているのだ。何ともすごいではないか?
だが、話を進める前に言っておくことがある…
注1: 原子物理学者の皆さんにお願いしたいのだが、本記事の誤りや不正確な部分は大目に見てほしい。プロトン、クォーク、小宇宙といったものは私の専門ではないのだ。聞いた話を後で思い出しながら、ここで紹介している。素直に認めるが、多少Wikipediaに頼った。しかし、なにぶん初めて書く内容なので、微妙に正しくない部分もあるかもしれない。先ほども言ったように、あまり気にせず読んでほしい。
注2: 大型ハドロン衝突型加速器については、本記事では取り上げない。全3回のCERNシリーズの第2回で紹介するつもりだ。少しだけ待ってほしい。「果報は寝て待て」というだろう。
では、CERNの話に戻るとしよう…
常勤の職員は2,000名以上で、毎年、世界100か国から10,000人を超える一流の専門家が当施設を訪れている。
CERNの活動資金については…込み入った話になる。
これについては賛否両論あるだろう。現在のところCERNは経済的な利益を生み出しておらず、少なくとも1世代、場合によっては数世代にわたって利益が見込めないからだ。しかし、いつの日か、遠い未来のある時点で、その価値が証明されることになるだろう。間違いない!CERNの研究成果は、未来の技術、デバイス、移動手段に徐々に活用されていくはずだ。言ってみれば、現代人が技術を使って何をしているのか、大昔の人には皆目見当が付かないようなもの(「技術?何それ?」)で、CERNの発明する未来の技術がどんなものか想像すらできないのだ。だが少なくとも、解明へと至る長い旅路を歩み始めている…
写真を何枚かお見せしよう。自分が大昔の人になったような気がするかもしれないが。
何でもない機械に見えるかもしれないが、下の写真の装置はノーベル賞を受賞している。ここでは他に何台、ノーベル賞を獲った発明品が使われているのだろう。興味は尽きない…
CERNの地上施設はそれほど大きくないが、スイスとフランスの2国にまたがっている。CERNがあるメイランという町も両国の国境で2つに分かれており、気付かないだろうが、その存在を示す唯一の手がかりは、この石柱だ。
CERNの施設も、先ほどの装置と同様に、あまり見るべき点はない。地味な箱形の建物が数棟と、格納庫のような建物があるだけだ。余談だが、一部の建物の角が切り落とされたような形になっているのは、国境をまたがないようにするためではないだろうか。
CERNを案内してくれたのは、一般的な旅行ガイドではなく、我々がCERNのためにやろうとしているのと同じような仕事をしている人物だった。だが、この件については後日お話ししよう。
下の写真に写っているフェンスの向こう側はぶどう園だ。ここジュネーブ州には、摩訶不思議な(そして利益にならない)原子力の研究よりもずっと大事なものがあった。そのため、CERNが敷地を拡大しようとしたときは猛反対にあった。発酵と蒸留という「魔法」が、素粒子の分析という魔法を打ち破ったということか?素晴らしい。スイスは進歩的な国だと思っていた。明らかに例外はある…
保護区域!
CERNの近くの通りは、初期の小宇宙分野で画期的な発見をした偉大な科学者の名が付けられている。ファラデー、ラザフォード、レントゲンだ!
我々が見学できたのはCERN全体のごく一部だった。技術的なメンテナンスのために作業が完全にストップしていたエリアだけだ。訪問者は、実験が行われているエリアへの立ち入りは許可されない。というより、訪問者でなくても大半が立ち入り禁止だ。そのような場所は、気温が低いし、高エネルギーや極めて強力な磁力が発生している。健康に良い環境とはとても言えないだろう。
科学者はいつも楽観的だ。
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CERNの技術に関する話題(さまざまな衝突や、素粒子の世界の不思議)は、次回の記事で。近日中に公開する…
Salut!