2014年11月12日
ペイントウォールチャレンジ
「我々もバンクシーのようなことをやってみませんか?」ある日クリエイティブなスタッフからこう提案があった。確かに悪くないと思い、いつものように許可を出したが、1つ注文をつけた。「ただし、我々の作品はもっと大きく、明るく、素晴らしいものにしなければ・・・バンクシーよりも(ゴホゴホ)。当社のロゴがはっきり見えるようにしないと。」
それから何か月かして、ロシアの町の陰鬱なマンションの壁に、目がくらむほど明るく、色とりどりの壁画が描かれた!
何枚か写真をお見せしよう。なかなかのものだ。気に入った。とても気に入った!
@e_kaspersky がバンクシー(風の)壁画に挑むTweet
さて、ある日突然思い立って、ロシアの高層マンションの壁に陽気な絵を描こうとしても、そういうわけにはいかない。おそらく他の国でも同じだろう。役所の許可をいくつも取らなければならないし、乗り越えるべきハードルは他にも多い。だが、我々は断固たる決意でやってのけた。マンションの壁の「グラフィティ」が、ガッチナ、サラバト、モスクワ、そして(つい先日)セベロドビンスクで完成したのだ!万歳!
建物の壁に実際にストリートアートを描くという作業は、プロジェクトの全工程の中で一番簡単で、時間のかからない作業であることがわかった。
そもそもブラシにペンキをつけるまでに、数か月もかかった。プロジェクトの同意を得、それに伴うあらゆる許可を取る必要があったのだ。悲しいことに、味気ない建物に絵を描くというアイデアは、概して強い反対を受けた。「何だって?グラフィティ?壁画?マンションに?誰が住んでいるところだ?気は確かか?」
だが、うれしいニュースもあった。たとえばサラバトの役所は、数棟の建物に絵を描く許可をすぐに出してくれた。絵に関して一定の条件に従うよう言われたが、その他の点では非常に協力的で、手続きが滞りなく進んだ。とても感謝している。私に言わせてもらえば、彼らの熱意は当然だろう。これほど様変わりするのだから。
マンションの壁画プロジェクトは成功を重ねており、今後はプロジェクトの進行速度が早まっていくはずだ。新たなプロジェクトのたびに、役所からの理解が深まり、歩み寄りの姿勢が見られるようになっている。そしてもちろん、我々の完成作品には、役所に町の壁画を認めさせ、さらに住民をその気にさせるだけの具体的な説得力がある。
さて住民といえば・・・
実際に絵を描く作業が始まったころは、少し戸惑った様子を見せる人が多かった。アーティストのそばに行き、根掘り葉掘り質問しては、作業の許可証を見せるように求める人もいれば、警察を呼ぶと脅す人までいた。だが、しばらくすると、ほとんどの人がこの状況に慣れ、プロジェクトのコンセプトに共感を示すようになり、その後はこの奉仕活動の進み具合を数日にわたって見守るようになった。パイやお茶を差し入れてくれたご婦人もいた。全体的に見て、最後には町の信頼を勝ち得たのだ。本当に素晴らしいことだ。
お兄ちゃん、壁画なんていいから、その車を返してよ。
作品1つにつき、アーティスト2名で約1週間かかり、最大で100リットルのペンキが必要だ。
ペンキを塗る作業は、過酷な天候のなかで行われることが何度もあった。ナターシャ・フロクシー(Natasha Floksy)はセベロドビンスクでの作業をこう振り返っている。
「あの街では本当に自然の猛威にさらされました。雨でびしょ濡れになり、強い日差しに照りつけられ、すさまじい風に吹かれ、最後の方は凍えるような寒さ(一時は-7°Сまで下がりました)で、雪まで降っていました。これが全部1週間の話なのです!極限状態と言って過言ではないと思いましたよ。その場にあった服装で行っても、結局は大変なことになりました!
でも結果的には、苦労した甲斐がありました。この街には、気のいい住民や白海の近くの潜水艦以外に、もう1つ見所ができました。そう、私たちの壁画です!」
だが、ずっと順風満帆な航海作画だったわけではない。
たとえば、モスクワで塗った壁の1つが、最近塗り直されてしまった。誰がやったかはわからないし、役所も知らないという。だが、単なるいたずらとは思えない。これほどの作業には高価な器具が必要だし、何より「公的な」支援があったはずだ。
http://instagram.com/p/o77SNEuiRE/
心配には及ばない。いずれ修復する予定だ!
しかし、プロジェクトは全体的に見て成功だった。明るく楽しい壁画の方が、古く暗い感じの味気ない壁よりずっといい。やはりロシアには、たとえばシンガポール、マクデブルク、バルセロナのような素晴らしい建築物はあまり多くないので、今までとはまったく違うクリエイティブな発想で盛り上げていかなければならない。このアイデアが我々以外の人にも受け入れられ、普及していくことを願う。他のIT企業、いや、あらゆる業種の企業がこの楽しい取り組みに加わってほしいものだ。できることなら、他ならぬバンクシーに参加してもらいたい。
ネットワークビジネスのような形になれば、もっとすごいことになるだろう。アイスバケツチャレンジのような感じだ。壁画を描く→別の3社を指名して同じことをしてもらう→これが世界中に広がっていく。参加を拒否した企業は、作業費用の半分を負担するというのはどうだろうか?
世界的な規模にまで拡大させていくためには、地元当局をすべて巻き込む必要があるだろう。あらゆる大陸の街に絵を描いていく。国の創造力と威信をかけた熱い戦いへと発展させるのだ!
当社のソーシャルメディア担当者は、このプロジェクトをさらに進めていくための斬新でクリエイティブなアイデアがあるという。
さて、読者の皆さんにも何かアイデアがあるかと思う。考える時間がなかったわけではないはずだ。何といっても、この記事を最後まで読んだのだから。
アイデアはコメント欄までお願いしたい。
最後になるが、これが一番大事 なことかもしれない。壁を再生してほしい陰鬱なマンションを募集している。できれば写真と、Kaspersky Labによる華やかな大改修が必要な理由も添えてほしい!