リヨンの王様たち

少し前、インターポールのセクレタリーゼネラルであるロナルド・ノーブル氏がモスクワのオフィスにお越しくださった。ノーブル氏は、輝かしい経歴の持ち主だ。フランスのレジオンドヌール勲章の受勲者であり、ニューヨーク大学ロースクールの教授であり、さらに驚くべきことには、Urals State Legal Academyの名誉教授でもあるのだ(ロシア語Wikipediaには彼のページが存在する)。ともあれ、このたびは私の方が足を運ぶ番だ…

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フランスのリヨンは、インターポールの事務総局がある土地だ。写真を撮ってもよいかと尋ねてみたところ、嬉しいことに「何でも、お好きなようにどうぞ」という返事が返ってきた。

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インターポールは途方もなくコンピューター化された組織だ。独自のクラウドシステムを有し、国際的な悪党どもに関する情報、それこそ写真から動画から、指紋、偽パスポートのスキャン写真、盗まれた車などにいたるあらゆる情報がそこにストックされている。このクラウドサービスには世界中のインターポール職員および各国警察組織がアクセス可能となっていて、刻々と進められる捜査の解決に一役買っている。

我々を迎えてくれたインターポールの方々は、最近起きた実に興味深い事例を語ってくれた。一例をご紹介しよう。モナコでベントレーを買った人がいた。その日、彼がベッドに入った晩のうちに、その高級車は盗まれてしまった。盗難車のありかはすぐに特定され、泥棒は翌朝クロアチアで逮捕されたが、この一部始終は、持ち主が目覚めて車がなくなっていることに気づくまでの間に起こったできごとだった!このほかにも、偽パスポートとその持ち主を3時間で特定する方法など、インターネット時代が到来する前には考えられなかったような話が次々と語られたが、まさにノーブル氏がインターポールの運営に関わりだしたのはインターネット時代の到来と同時期だった。彼が2000年に加わったとき、インターポールは電子メールさえ導入していなかった!しかしいまや、インターポールは独自のクラウドソフトウェアを記述するまでとなっている。

クラウドサービスと同様、組織をつなぐ重要なものとして、リヨンとブエノスアイレスで年中無休の働きをみせる指令調整センター (CCC)がある。私は、ちょうどシフト切替のときに居合わせ – 「ブエノス・ディアス、ブエノスアイレス(おはよう、ブエノスアイレス)!」- リヨンのスタッフは、状況報告を済ませると退散していった。

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実に魅力的な組織だ。

フランスとアルゼンチンにある指令調整センターのほかに、インターポールは第3の指令センターをシンガポールに置いている。これこそが、インターポールの新たなオフィス – 私が10年以上にもわたって待ち望んできたインターネット・インターポール – が置かれる場所だ。ついにその時が来たのだ!我々はインターポールと共にこのプロジェクトへ積極的に取り組んでおり、これからは我々の専門技能や知識や技能が彼らの活動をサポートしていく。そんなわけで、サイバー世界の悪党たちの将来は、安泰でも楽ちんでもなくなること請け合いだ。

今回の訪問では、インターポールのカンファレンスに参加し、サイバー犯罪とはどんなものか、通常の犯罪とどう違うのかについて講演を行った。カンファレンスには数多くの方々が出席してくれた – インターポール加盟国190か国のうち、多くが数名ずつ参加していたので、実に500名以上が会場に詰めかけていた。法の守護者がこれほど大勢集まって整然としているのを目の当たりにしたことは、かつてなかった…フランスのコメディで見たくらいだろうか。

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一言でいうと、素晴らしい旅だった!

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その他の写真はこちらにある。

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