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暗黒面のサイバー関連ニュース – 2014年6月24日付

※元の英語記事は2014624日に公開されました。

 

特許トロールの続報

悲しいかな、狂騒はまだまだ続く…ときおり、発作的な盛り上がりを見せつつ。実際、特許トロールに関する問題は片付いていない。とりわけ興味深くて「騒々しい」事件しか注目されない、というだけのことだ。しかし、この話題を掘り下げていくと、注目されてはいないが興味深い事件に行き着く。我々はそうやって、特許トロールについてかなりのことを発見した。このブログ記事のタイトルにふさわしい諸々を。それでは見ていこう・・・

皮肉はもう十分

この件については、実はそれほど掘り下げる必要はなかった。Ars Technicaの記事をチェックするだけだった。割とよくあることだが、この記事では特許アグリゲーターであるRPXが称賛されていた。優しくて誠実な企業を装い、孤児や貧しい人々、そしてお姫様を(ドラゴンから)守るふりをしているのがRPXだ。私は自分の目を疑った。記事にはこう書いてあったのだ。「RPXは、特許トロールにしつこく迫られていると感じている企業にメンバーシップを販売している。購入しているのは、Appleをはじめとする多数のIT企業だ。RPXは基本的に、トロールに利用される恐れのある特許を買い占める。多くの企業の購買力を結集することで、特許を格安で購入することができるのだ」。もしかすると、こんな言葉を信じていたかもしれない…自分の経験した偽善行為を思い出して、私はひどく狼狽し、いらだちを覚えた。

RPXがある種の反トロール、つまり特許トロールに対抗する立場であると?これは驚いた…

Patent Trollニュースソース

この、トロールとだという企業に出会ったのは、同社が創業した年のことだ。当社はRPXへ初めて反撃を食らわせ、しかもそれに成功した企業の1社だった。

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アイルランドは「ITアイランド」

私は時折、旅先で得た地理的・政治的・経済的な見解をお伝えしている。またその機会が巡ってきた。

今回訪れたのは、大西洋に浮かぶアイルランドと呼ばれる島だ。アイルランドは鉱物資源が豊富というわけでもないし、気候にも特徴はなく、とても辺ぴな場所にある。ヨーロッパ最果ての地とでも言うべきか。そして、同国はたびたび海外の深刻な金融危機に悩まされてきた。

では、アイルランドのように決して体格に恵まれていない国は、どうすればいいのか?考えてみてほしい。―――そう、考えることだ!アイルランドがやったのは考えることだったのだ。

彼らは、どうすれば海外の投資家や企業にとって最大限魅力的な国になれるかを考え、この上なく快適なビジネス環境を整備することでそれを実現した。アイルランドは、この目的のために特別な政府機関アイルランド政府産業開発庁(IDA Ireland)まで設立している。同機関は多数の熱心な公務員で構成されており、その唯一の任務はアイルランドのプロモーションだ。今のところかなりうまくやっている。約1,000社の海外企業がアイルランドにオフィスを構え、IT企業もGoogle、Microsoft、IBM、Appleなど数多く進出している。IT企業全部と言ってもいいくらいだ。今ではFacebookもいる。誘致したのはBonoだ(同じ文の中で「社会奉仕事業」と「租税回避」に言及するのはどうかと思うが)。

アイルランドの非常に熱心なPR機関を見ていると、シンガポールの同様の機関を思い出す。シンガポールの機関は、同国の産業化と近代化の戦略に大きく貢献し、経済を発展させた。ちなみに、アイルランドのRyanairはヨーロッパで(Lufthansaに次ぐ)第2位の規模を誇る航空会社なのだが、これもアイルランドの控えめな地位を示す例だ。アイルランドの価値は2階から注ぐギネスビール見た目だけでは計れない。

さて、私が何をしにアイルランドに来たのかというと、地域のITグループの集まりに参加するためだ。今回はWeb Summitという展示会が開催され、規模も国籍もさまざまな600社(!)以上の新興企業が、小さな展示会場にひしめき合っていた。新興企業が自社をアピールし、同業者や投資家との人脈作りに励むなか、大企業は斬新で革新的なアイデアの数々を物色していた。どれも優れていて、刺激的で、興味深く、価値があり、正しいものばかりだった!

Web Summit 2013

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特許トロールは打ち負かせる – 決してあきらめなければ

やった!太鼓の音、鳴り響くシンバルに、オーケストラの演奏も付けようか。米国で、またもや特許トロールに勝利したのだ!敵は敗北して意気をくじかれ、去っていった。「あきらめるな!」というチャーチルの言葉は正しかったわけだ。我々はこの忠告に従って、あるトロールと戦った。結果としてトロールはあきらめ、逃げていった。

「衝撃、幸福、喜び、そして高揚感が一気にやってきた」

これはN.K氏(Kaspersky Labの知的財産担当主席顧問)がこの勝利を表して言った言葉だ。今回のトロールはなかなか手強い相手で、かなり太い「コネクション」を持っていたのだ。

lodsys

衝撃、幸福、喜び、そして高揚感が一気にやってきた――その言葉に120%同意する。我々は18か月の間、Lodsys(世界最大かつ最も悪名高い特許トロール、Intellectual Ventures(以下「IV」)の「触手」の1つ)と法廷で戦った。この特許トロールは、無条件の完全降伏に追いやられた。そしてまたもや、我々は独りで勝利したのだ。訴えられた他の54社はこのゆすり屋と和解し、情けないことに戦いの場から逃げた企業もあった。この特許トロールはこれまで400社以上のIT企業から金銭をせしめてきたのだ。

もう少し詳しく話そう。

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