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特許トロールと戦う10のヒント

最近、特に特許トロールとの法廷闘争で勝利したと大々的に発表してからは、特許トロールとどう戦えばいいのかアドバイスがほしいと聞かれることが増えた。そこで、今回は特許にむらがる吸血鬼たちに一矢報いて勝利を収める10のヒントをご紹介しよう。

その前に、このヒントを提供してくれた当社の社員たち(特許トロールと戦った人たちでもある)に、皆さまの盛大なる拍手を賜りたい:

  • Nadya Kashchenko, Chief IP Counsel
  • Dmitry Polyakov, Head of IP Protection & Defense
  • Nikolay Borovikov, Head of IP Research & Analysis
  • Sergey Vasilyev, Senior IP Counsel

我々はここ数年、特許のピラニアたちとさまざまな国でさまざまなバトルを繰り返してきたが、その中で特許トロール主義に関するいくつかの結論を導き出した。もちろん、国によって経済や社会政治の特性は異なり、特許法もそれぞれ独自のものが制定されている。それでも、若干の違いはあれ、トロール主義のパターンはどこも総じて変わらない。今回は明確さと実用性を鑑み、彼らに振り回され悩むイノベーション企業を抱えた米国の特許事情に絞って解説する。

特許トロールと戦う10のヒント

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特許トロールに圧力を

「予防は治療に勝る」というが、これは特許トロールとの戦いにも当てはまる言葉だ。

私たちはこの格言を胸にDevice Security LLCを告訴し、モバイルデバイスのデータ保護に関する技術を対象とした特許の無効と非侵害を主張している。特許トロールたちとは8年にわたって戦ってきたが、予防的先制攻撃に打って出たのは今回が初めてだ。

Kaspersky Lab vs Device Security LLC

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「人生とはトロールとの戦いである」*

我々が最近、特許トロールに独力で勝利したことで生まれた高揚感も、少し落ち着いてきた。とてもうれしいことに、さまざまな良いニュースこれとかこれこれこれこれ)を読めたし、ユーザーの皆さんからも勇気づけられるコメントが多数寄せられた。しかし、真の戦いはまだ始まったばかりだ。この先も大変な仕事や論争が数多く待ち受けている(興味深い論争ではあるが)。ということで、今こそこれまでの総括をやるべきときだと思う。

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特許トロールは打ち負かせる – 決してあきらめなければ

やった!太鼓の音、鳴り響くシンバルに、オーケストラの演奏も付けようか。米国で、またもや特許トロールに勝利したのだ!敵は敗北して意気をくじかれ、去っていった。「あきらめるな!」というチャーチルの言葉は正しかったわけだ。我々はこの忠告に従って、あるトロールと戦った。結果としてトロールはあきらめ、逃げていった。

「衝撃、幸福、喜び、そして高揚感が一気にやってきた」

これはN.K氏(Kaspersky Labの知的財産担当主席顧問)がこの勝利を表して言った言葉だ。今回のトロールはなかなか手強い相手で、かなり太い「コネクション」を持っていたのだ。

lodsys

衝撃、幸福、喜び、そして高揚感が一気にやってきた――その言葉に120%同意する。我々は18か月の間、Lodsys(世界最大かつ最も悪名高い特許トロール、Intellectual Ventures(以下「IV」)の「触手」の1つ)と法廷で戦った。この特許トロールは、無条件の完全降伏に追いやられた。そしてまたもや、我々は独りで勝利したのだ。訴えられた他の54社はこのゆすり屋と和解し、情けないことに戦いの場から逃げた企業もあった。この特許トロールはこれまで400社以上のIT企業から金銭をせしめてきたのだ。

もう少し詳しく話そう。

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決してあきらめない、特許トロールとの戦い

正当な見返りを得られるまでには、恐ろしく時間がかかることがある。しかしありがたいことに、最も忌むべきものの1つである特許トロールに、ついに直接的な制裁が下されようとする兆しが現れている。

私は以前の記事で、特許トロールについて、また特許トロールとの戦いで求められる事柄について話した。

何が必要とされているのかを簡単に振り返ってみよう。

  • 特許の使用に制限を設ける。特許取得より前の期間にさかのぼって権利を主張できないようにする。
  • トロールが敗訴した、または訴訟を取り下げた場合、被告の費用全額をトロールに賠償させる。
  • 特許アグリゲーターによる提訴を禁止する。
  • 特許の説明において詳細さと正確さを要求する。技術的な専門家による審査を必須とする。
  • 重要ポイント:アイデアではなく、具体的な用途を特許の対象とする。

米国の議員たちは、私のブログを読んでいるのではないかと思うことがある。バーモント州でついに、あることが成し遂げられた(世界のあらゆる場所で、というわけにはいかないが)。反トロール法が施行されたのだ。

この法律には興味深い点がたくさんあるが、私が一番気に入っているのは、トロールのやり方が正しいものではないと証明すれば、被告側の企業はすべての訴訟費用を特許トロールに要求できることだ。 続きを読む:決してあきらめない、特許トロールとの戦い

アバンギャルドな街、マクデブルク

ロシアのことわざを1つ紹介しよう。ざっと翻訳すると、「1世紀生きれば1世紀のあいだ驚かされる」といった感じだ。すべてを見たと思っても実際はそうではない、という意味ではないだろうか。私にとってこの言葉がぴったりだったのが、最近のマクデブルク市への旅行だ。まさに驚かされた。

全体的に、マクデブルクは少し退屈な田舎町だ(あくまで私見だ。私は1年の大半をモスクワで過ごしているので)。あるものといえば、川(エルベ川だが、ここではまだとても小さい)、その川のとても印象的な土手、同じくらい印象的な(修復された)城壁と、ゴシック様式の大聖堂くらいで、他には特にない。ただ、こうした退屈さをすべて埋め合わせてくれる特徴が1つあったのだ。

市内中心部に、他の建物とまったく調和しない巨大な住宅兼商業施設がある。その名もGreen Citadel of Magdeburg(マクデブルクの緑の要塞)。見てほしい!この色、形、模様!同じようなものを見たことがあるだろうか?

この常軌を逸した建築物を担当したアーティストは、20世紀後半のガウディ(Gaudiといわれるフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー(Friedensreich Hundertwasser)だ。同氏はこれ以外にも、独自の驚くべきスタイルで、中央ヨーロッパ全域の数多くの建物を優れた芸術作品に変えてきた。

オーストリア人であるフンデルトヴァッサー氏は真の独自路線を行く人で、もちろん私は彼のファンだ。同氏の考えでは、人はどれも似たり寄ったりの箱みたいな家に住むべきではないそうだ。また、住人は自分の周りの壁に色を塗るか、他の何らかの方法で壁を変えるように勧められるべきだという。この考えは家の中の壁にも及ぶ。彼は廃工場をアバンギャルドな芸術作品に変えることにも情熱を注いでいた。

さて、もう説明は十分だろう。写真をご覧いただきたい。

magdeburg-1 続きを読む:アバンギャルドな街、マクデブルク

特許vs.イノベーション(続き)

「特許vs.イノベーション」。何とも違和感のある響きだ。まるで「蜂vs.ハチミツ」「ハンバーガーvs.パン」「学生vs.セックス」「ロックンロールvs.ドラッグ」並みの矛盾を感じる。

特許とイノベーションが相反するとは、どういうことだろうか。特許は発明者の権利を守り、研究開発への投資回収を実現し、一般的にテクノロジーの進化を刺激する存在のはずだ。たしかに、一部にとってはそうかもしれない。しかし、ソフトウェアの世界はと言うと、そんな関係は絶対にありえないのだ。

現在のソフトウェアに関する特許法は、サーカスのミラーハウスのように歪められた現実と言える。今の特許法は常識的に見て明らかにおかしく、全面的に見直す必要がある。しかも、できるかぎり早く実施しなければならない。さもなければ、奨励し保護すべき革新的な特許は具体化する前に潰されかねない(ほんと良い仕事をしてくれる、特許システムは。実に素晴らしい)。

一体なぜこんなことになってしまったのだろうか。

本来特許には発明者を保護するという崇高な目的がある。それが今やイノベーションの保護とは真逆の、ゆすりの道具になりさがっている。現代の特許ビジネスは、技術詐欺だ。金になりそうなものを見つけたら黒く淀んだ本能に従い巣へと持ち帰る、カササギと盗癖のある猿を異種交配したような存在だ。

“トロール”の参戦による特許訴訟の変化

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 出典:PatentFreedom

ここで、特許ビジネスを具体的に検証してみよう。

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1 歩進んで、2 歩戻る

「あらゆる物事は緩慢かつ不調和に進む。それゆえにうぬぼれの心を持たないわれわれは、みじめで、混乱の中に取り残されている」

–『Moscow Stations』、Venedikt Yerofeev

このフレーズをアンチウイルス業界の話で持ち出すことになるとは思わなかったが、そのような事態になってしまった。ご存じのように、この世の中ではあらゆることがすんなり進むとは限らない。経済的な状況だとか新しい顧客の必要性というものは、素晴らしい人間をもダークサイドに引き込む力を持っている。このたび、アンチウイルス業界で最も著名なテストラボの 1 つである「AV-TEST」が闇に屈してしまった。

比較テストについて:初心者のための背景知識

何らかの製品のうちでベストなものを選ぼうとするとき、皆さんはどうしているだろうか。そして、ある製品がベストであることはどうしたらわかるのだろうか。専門誌やオンライン情報サイトの比較テスト結果をまず調べてみる人もいるだろう。よくある話だ。アンチウイルスソリューションの場合も同じだ。数多くあるアンチウイルス製品を評価のうえ比較して、結果を公表しているテスト機関はたくさんある。

理由は謎だが(この記事では私がその理由を推測している)、有名なドイツのテスト機関である AV-TEST がひそかに(通告なしで)同社の認証プロセスを変更した。これにはどんな意味があるだろうか。控え目な表現で言うと、新しいルールのもとでなされる認証は、各種アンチウイルス製品の価値の評価にはあまり役に立たない。

そう、私は宣言する。「AV-TEST によるホームユーザー向けアンチウイルスソリューションの認証はもはや、製品の品質を適切に比較できるものではない」と。言い方を変えると、皆さんが自宅の PC を保護するソリューションを選ぶとき、AV-TEST の認証リストは基準としてお勧めできない、ということだ。同じ認証を受けている製品が 2 つあった場合に、その 2 つのパフォーマンスは同じ(もしくはほぼ同等)だろうと考えるのは自然なことだ。AV-TEST の新しい認証基準の場合は、それぞれのテスト結果をよく調べなければならない。調べた結果、99.9% の攻撃をブロックした製品と 55% しかブロックできなかった製品が同じ「認証」を受けていることに気付くかもしれない。

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チェリャビンスクの怪

※注:エイプリルフールに掲載されたブログ記事です

勇者が集う Kaspersky Lab のアンチウイルスラボでは、日々無数のファイルが処理されており、毎日絶え間なく作業が続いている!もちろん、中には何の問題もないファイルやただの壊れたコード、無害なスクリプト、データの寄せ集めなどがいくつかある。しかし、そのほとんどは悪意のあるファイルで、ラボではこれらを自動的に分析、処理している(処理方法など詳しくは、こちらのブログを参照してほしい)。

そうした業務の中で、我々は時折、非常に不可思議な、これまで見たこともないような想像外のファイルに出会うことがある。脳細胞を活性化させ、心臓の鼓動を速めてアドレナリンを噴出させる、たとえばStuxnetFlameGaussRed October のようなファイルだ。

そんな奇妙なファイル群に、新たなファイルが加わろうとしている……。

そう、我々は恐ろしいワームを発見したのだ。それが発見されたのは、ロシアのインターネット上だった。すぐに言えることは、アルゴリズムのロジックや巧妙なコーディングを見たかぎり、このワームはプロのサイバースパイやサイバー兵器を含む、これまで発見された不正なプログラムはもちろんのこと、その他の既知のソフトウェアよりもはるかに高度だということだ。

どうやら我々は、かなりの大物を釣り上げたようだ!

これほどまで複雑かつ謎めいたプログラムのロジックを持つ機械語を、私は見たことがない。我々のラボでは、最も複雑なワームやトロイの木馬でも、通常は数週間あれば解析できる。しかし、今回のワームの解析にかかりそうな時間は、年単位だ!それだけ精緻で入り組んでいるのだ。

こんな怪物が開発可能なソフトウェア会社を、私は知らない。サイバー犯罪者もしかりだ。むしろ、彼らのほとんどは旧式のマルウェアを扱う。また、秘密機関が作成したと囁かれる最近の非常に高度なマルウェアも、足元にすらおよばない。今回のワームをこれら団体が作成することは、絶対に不可能だ

もしかして今、このブログを立った状態で読んでいるだろうか? であれば、まずは椅子に座ってから、読み進めてほしい。

このワームは、人類が作成することは理論的に不可能なのだ(どうだ、座っていてよかっただろう?)。

このコードは異常なまでに難解で、地球外に起源を持つとしか思えないのだ

 Hohoho

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マザー SCADA を守れ!

※注:エイプリルフールに掲載されたブログ記事です

みなさん、こんにちは!

Kaspersky Lab では、コンピューターの世界で何が起きているかを常時診断できるよう、ハイテクなツールを駆使してさまざまな場所を突き回し、多種多様なインターネットセンサーからの計測情報を取得して「情報のノイズ」を調べている。こうして収集した情報とその他ソースから取得したデータを基に、我々はコンピューター世界のいわば体温や血圧を常に測り、主要なリスク領域を注意深く監視している。そんな我々が今、どんな事象を観測しているのか――、それを今回ご紹介しようと思う。

デジタル世界で最も問題を抱えているのは何かと聞かれたら、多くの人は家庭用コンピューター、タブレット、携帯電話、企業ネットワークと答えるだろう。これらは、業務または私物を問わず、コンピューターの世界と聞いて誰もが思い浮かべる要素だ。だが、これは間違っている。(サイバースパイ活動やサイバー犯罪などの)サイバー攻撃の大半は、「昔からある」サイバースペースで行われているにもかかわらず、主要な脅威ではない。コンピューター攻撃の中で、我々が本当に恐れなければならないのは、通信事業者(インターネット、モバイルネットワーク)や ICS(産業用自動制御システム)への攻撃だ。

Kaspersky Lab ではセキュアオペレーティングシステムプロジェクトを進めているのだが、その一環で実施したある調査によって明らかになった事実がある。それは、非常に重要なインフラの制御システムにおいて、その「コンピューターの免疫力」が深刻なほど低いという事実だ。SCADA(Supervisory Control and Data Acquisition、産業用の総合監視制御システム)を含む ICS(産業用制御システム)は、ソフトウェアやコンピューター化されたハードウェアで構成され、電力、交通、放送はもちろんのこと、実質すべての産業界の技術処理を実行し、障害および寸断のないシステム制御を担っている。最新の車や飛行機、電車において、重要な機能を制御しているのはコンピューターシステムだ。発電所、浄水施設、工場、最新のオフィスビル(エレベーター、電気や給水、火災報知器やスプリンクラーなどの非常用システム、エアコンなど)は、すべてコンピューター制御されている。部屋の片隅や誰も気にも留めないような部分でひっそりと稼動する SCADA やその他 ICS に、我々の周りにあるすべてのものが完全に依存しているのだ。

悲しいかな、その他のコンピューターシステムと同様、SCADA とその仲間たちも、マルウェアやハッカーによる攻撃の対象だ。 2010 年の Stuxnet ワームでも、それは実証されている。重要な基幹システムを守ることは、今やほとんどの先進国のコンピューターセキュリティで重要な優先課題となっている。一部の国では、基幹システムへのサイバー攻撃があった場合、(戦車や爆弾を使った)戦争の用意があると表明している(攻撃を実行した責任国が分かれば、の話だが)。事態はますます激化する一方だ。

Kaspersky Lab でも、ここしばらく SCADA のセキュリティに取り組んできた。7 年間に渡って ICS の詳細な分析を実施し、SCADA のセキュリティにおける基本原則の確立や、SCADA をマルウェアの脅威から確実に守るための、従来のエンドポイントセキュリティや Kaspersky Lab のセキュア OS をベースとしたプロトタイプソリューションの開発を進めてきた。まだ完成していないが、開発は現在進行中なので、近々発表できると思う。

話は戻るが、SCADA のセキュリティ状況に対していつもの分析を行っていたところ、先ほどかなり驚くべき事実が発覚した。なんと、「マザー SCADA」を偶然発見したのだ。マザー SCADA は、障害および寸断のない運用を遂行する上で地球上のあらゆるものに実質依存しながら、全世界の ICS を支配する強力かつ最高位の ICS だ。あらゆるものとは、朝食の味や賞与の金額から、昼夜の時間、日周運動の速度まで、すべてだ。

そう、あらゆる技術処理を「マトリックス」で管理する SCADA を発見してしまったのだ!

Mother SCADA admin panel

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