決してあきらめない、特許トロールとの戦い

正当な見返りを得られるまでには、恐ろしく時間がかかることがある。しかしありがたいことに、最も忌むべきものの1つである特許トロールに、ついに直接的な制裁が下されようとする兆しが現れている。

私は以前の記事で、特許トロールについて、また特許トロールとの戦いで求められる事柄について話した。

何が必要とされているのかを簡単に振り返ってみよう。

  • 特許の使用に制限を設ける。特許取得より前の期間にさかのぼって権利を主張できないようにする。
  • トロールが敗訴した、または訴訟を取り下げた場合、被告の費用全額をトロールに賠償させる。
  • 特許アグリゲーターによる提訴を禁止する。
  • 特許の説明において詳細さと正確さを要求する。技術的な専門家による審査を必須とする。
  • 重要ポイント:アイデアではなく、具体的な用途を特許の対象とする。

米国の議員たちは、私のブログを読んでいるのではないかと思うことがある。バーモント州でついに、あることが成し遂げられた(世界のあらゆる場所で、というわけにはいかないが)。反トロール法が施行されたのだ。

この法律には興味深い点がたくさんあるが、私が一番気に入っているのは、トロールのやり方が正しいものではないと証明すれば、被告側の企業はすべての訴訟費用を特許トロールに要求できることだ。 続きを読む:決してあきらめない、特許トロールとの戦い

世界に希望をもたらしたリーダー

紳士淑女の皆さん!

今日は、この世に存在する最高の人物を祝う特別な日だ。今日は、リー・クアンユー氏の90歳の誕生日なのだ。シンガポールの祖にして誰もが認める指導者であり、シンガポールはこの人なくして現在の姿たりえなかったことだろう。彼こそが、かつて顧みられない場所であったものを、繁栄する国家、すなわち世界の模範となるドリームシティたらしめた人なのだ。

では、かつてのシンガポールとはどんなところだったのだろう?

1965年、シンガポールは他の多くの国とは違う形で独立した。不要なものとして投げ捨てられるがごとく、独立させられたのだ。この国は未開発の島々の寄せ集めで資源も少なく、正気の人間なら行く末に希望を感じることなどできない状況だった。そもそも、正気の人間ならシンガポールのことなど認めることすらしなかっただろう。

その特徴は?

  • 湿地帯で、土地のほとんどは豚や牛が草をはむだけだった
  • 天然資源がなく、飲料水さえ事欠いていた(今でもそうだが)
  • (表現を和らげていえば)近隣諸国と友好的ではなかった
  • 識字率が低く、共産党の強い影響下にあった(海外からの支援も含め)
  • 異人種間での紛争が絶えなかった。主な構成員は華僑、マレー系、ヒンドゥー系で、それぞれ異なる宗教を信奉していた

さらにおまけで、こんな特徴も:

  • 組織的犯罪
  • 軍隊はなく、忠義な警察組織もなかった
  • 汚職が蔓延
  • 英軍の基地および港以外の産業がほぼ皆無

もう十分だろうか。

汚濁と貧困の中にあり、期待すべきものはなにもない。それが1965年の様子だった。

この25年後(そう、1990年)、ここはまったく違う場所となっていた… 続きを読む:世界に希望をもたらしたリーダー

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Kaspersky Lab、16周年。

今年もKaspersky Labは誕生日を祝った。もうLittle 15ではない、Sweet 16だ!アメリカでいえば「娘盛り」の特別な年だ。今年も例によって盛大に15 回め(誤字ではない、理由は最後に!)の記念日を祝った。12日、世界中からKLメンバーがモスクワ北部に集まり、素晴らしい天候にも恵まれた(去年の土砂降りとは打って変わり…笑)。

kaspersky-lab-16-barthday-party1Yeah, Beer(はい、ビール)

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ITセキュリティの「笑える」小話

私は仕事で世界中を飛び回って、イベントで講演したり、仲間のエキスパートの集まりで話をしたり、話を聞いたりする。ある日、そういう話を当ブログでも紹介することを思いついた。というわけで、ITセキュリティに関するさまざまな「笑える」小話(文字通りの意味でも、比喩的な意味でも)を紹介する。

1話:秘密ファイルを自宅にお届け

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特許vs.イノベーション(続き)

「特許vs.イノベーション」。何とも違和感のある響きだ。まるで「蜂vs.ハチミツ」「ハンバーガーvs.パン」「学生vs.セックス」「ロックンロールvs.ドラッグ」並みの矛盾を感じる。

特許とイノベーションが相反するとは、どういうことだろうか。特許は発明者の権利を守り、研究開発への投資回収を実現し、一般的にテクノロジーの進化を刺激する存在のはずだ。たしかに、一部にとってはそうかもしれない。しかし、ソフトウェアの世界はと言うと、そんな関係は絶対にありえないのだ。

現在のソフトウェアに関する特許法は、サーカスのミラーハウスのように歪められた現実と言える。今の特許法は常識的に見て明らかにおかしく、全面的に見直す必要がある。しかも、できるかぎり早く実施しなければならない。さもなければ、奨励し保護すべき革新的な特許は具体化する前に潰されかねない(ほんと良い仕事をしてくれる、特許システムは。実に素晴らしい)。

一体なぜこんなことになってしまったのだろうか。

本来特許には発明者を保護するという崇高な目的がある。それが今やイノベーションの保護とは真逆の、ゆすりの道具になりさがっている。現代の特許ビジネスは、技術詐欺だ。金になりそうなものを見つけたら黒く淀んだ本能に従い巣へと持ち帰る、カササギと盗癖のある猿を異種交配したような存在だ。

“トロール”の参戦による特許訴訟の変化

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 出典:PatentFreedom

ここで、特許ビジネスを具体的に検証してみよう。

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インターポール、来訪。

先日、私たちは最初の – おっと、2番目の – 重要なお客様をわがオフィスにお迎えした。インターポールのセクレタリーゼネラル、ロナルド・ノーブル(Ronald Noble)氏。そして、シンガポールに新たに設立されるインターポールのサイバー犯罪対策部門を率いる、中谷昇氏だ。このお二方は、グローバルレベルでのサイバー犯罪撲滅を目指す協力体制に関する公式アナウンスのためにお越しくださった。

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Kaspersky Lab、本社を移転

みなさん!

とても素晴らしい知らせがある!少なくとも、Kaspersky Lab の社員にとっては嬉しいニュースのはずだ。

15 年間の借り暮らしの日々が、ようやく終わりを告げる。そう、我々は本社となるビルを、3 棟購入した。長らくかかったが、やっと手に入れた。ともあれ、つい最近、モスクワ北西部のOktiyabrskoye Pole(英語で「October Field」という意味)にある旧オフィスから、最後の部署が引っ越しを済ませ、翌日には新しいオフィスへと出勤してきた。写真は、そのときの様子だ。総務部の社員と、部署のマスコットのゴムの木だ。

Kaspersky Labのモスクワ新オフィス

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