世界で一番安全な都市。

コロンビアはカルタヘナより、こんにちは!

何でまた、この南米の都市が突然、地球上で一番安全な都市になったのか、と思われたかもしれない。まあ、先を続けよう。

その前に。

いやーもう暑いのなんの。さらに悪いことに、どうかしているほど湿気が多い。おそらく、9月から12月にかけて雨季を迎えるせいだろう。外へ出て10分も歩けば、文字どおり汗びっしょりになる。初日をやり過ごせばなんとなく慣れてくるが、その初日が…やっていられない。控えめに言って。

Cartagena Colombia

もちろん、エアコンの効いた室内となれば話は別だ。ただ、気温や湿度の極端な変化ですぐ風邪を引くよ、と言われてしまった。バルコニーの窓を開けると湿気が天井に上がってあっという間に水滴となり、思わぬ時に頭の上に落ちてくる。実に奇妙な経験だ。まさに。 続きを読む:世界で一番安全な都市。

ダブル博士号

բարեւ բոլորին!

アルメニア語の「皆さん、こんにちは」をGoogleが正しく翻訳してくれているとよいが。このエキゾチックな国(読者の皆さんにとってもそうだと思う)に行ったことをアピールしたかったもので。今回も、ビジネスとお楽しみがほどよくミックスされた旅だった。

先日、私はState Engineering University of Armeniaより名誉博士号を授かった。これは「情報セキュリティ分野におけるめざましい貢献に対する」もので、同大学の総長より直々に授与された。

ユージン・カスペルスキー、名誉博士号-バックギャモンKL/SEUA特製バックギャモン!

素晴らしい、ありがとうございます!

これで、2か国で博士号をいただいたことになる。いまや私は「英国&アルメニアの研究者」となったのだ。(最初の名誉博士号はプリマス大学から授与された)

上の写真はちょっとふざけすぎたろうか?このあとは「まともな」写真をお見せしよう。

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「人生とはトロールとの戦いである」*

我々が最近、特許トロールに独力で勝利したことで生まれた高揚感も、少し落ち着いてきた。とてもうれしいことに、さまざまな良いニュースこれとかこれこれこれこれ)を読めたし、ユーザーの皆さんからも勇気づけられるコメントが多数寄せられた。しかし、真の戦いはまだ始まったばかりだ。この先も大変な仕事や論争が数多く待ち受けている(興味深い論争ではあるが)。ということで、今こそこれまでの総括をやるべきときだと思う。

comment1

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特許トロールは打ち負かせる – 決してあきらめなければ

やった!太鼓の音、鳴り響くシンバルに、オーケストラの演奏も付けようか。米国で、またもや特許トロールに勝利したのだ!敵は敗北して意気をくじかれ、去っていった。「あきらめるな!」というチャーチルの言葉は正しかったわけだ。我々はこの忠告に従って、あるトロールと戦った。結果としてトロールはあきらめ、逃げていった。

「衝撃、幸福、喜び、そして高揚感が一気にやってきた」

これはN.K氏(Kaspersky Labの知的財産担当主席顧問)がこの勝利を表して言った言葉だ。今回のトロールはなかなか手強い相手で、かなり太い「コネクション」を持っていたのだ。

lodsys

衝撃、幸福、喜び、そして高揚感が一気にやってきた――その言葉に120%同意する。我々は18か月の間、Lodsys(世界最大かつ最も悪名高い特許トロール、Intellectual Ventures(以下「IV」)の「触手」の1つ)と法廷で戦った。この特許トロールは、無条件の完全降伏に追いやられた。そしてまたもや、我々は独りで勝利したのだ。訴えられた他の54社はこのゆすり屋と和解し、情けないことに戦いの場から逃げた企業もあった。この特許トロールはこれまで400社以上のIT企業から金銭をせしめてきたのだ。

もう少し詳しく話そう。

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決してあきらめない、特許トロールとの戦い

正当な見返りを得られるまでには、恐ろしく時間がかかることがある。しかしありがたいことに、最も忌むべきものの1つである特許トロールに、ついに直接的な制裁が下されようとする兆しが現れている。

私は以前の記事で、特許トロールについて、また特許トロールとの戦いで求められる事柄について話した。

何が必要とされているのかを簡単に振り返ってみよう。

  • 特許の使用に制限を設ける。特許取得より前の期間にさかのぼって権利を主張できないようにする。
  • トロールが敗訴した、または訴訟を取り下げた場合、被告の費用全額をトロールに賠償させる。
  • 特許アグリゲーターによる提訴を禁止する。
  • 特許の説明において詳細さと正確さを要求する。技術的な専門家による審査を必須とする。
  • 重要ポイント:アイデアではなく、具体的な用途を特許の対象とする。

米国の議員たちは、私のブログを読んでいるのではないかと思うことがある。バーモント州でついに、あることが成し遂げられた(世界のあらゆる場所で、というわけにはいかないが)。反トロール法が施行されたのだ。

この法律には興味深い点がたくさんあるが、私が一番気に入っているのは、トロールのやり方が正しいものではないと証明すれば、被告側の企業はすべての訴訟費用を特許トロールに要求できることだ。 続きを読む:決してあきらめない、特許トロールとの戦い

アバンギャルドな街、マクデブルク

ロシアのことわざを1つ紹介しよう。ざっと翻訳すると、「1世紀生きれば1世紀のあいだ驚かされる」といった感じだ。すべてを見たと思っても実際はそうではない、という意味ではないだろうか。私にとってこの言葉がぴったりだったのが、最近のマクデブルク市への旅行だ。まさに驚かされた。

全体的に、マクデブルクは少し退屈な田舎町だ(あくまで私見だ。私は1年の大半をモスクワで過ごしているので)。あるものといえば、川(エルベ川だが、ここではまだとても小さい)、その川のとても印象的な土手、同じくらい印象的な(修復された)城壁と、ゴシック様式の大聖堂くらいで、他には特にない。ただ、こうした退屈さをすべて埋め合わせてくれる特徴が1つあったのだ。

市内中心部に、他の建物とまったく調和しない巨大な住宅兼商業施設がある。その名もGreen Citadel of Magdeburg(マクデブルクの緑の要塞)。見てほしい!この色、形、模様!同じようなものを見たことがあるだろうか?

この常軌を逸した建築物を担当したアーティストは、20世紀後半のガウディ(Gaudiといわれるフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー(Friedensreich Hundertwasser)だ。同氏はこれ以外にも、独自の驚くべきスタイルで、中央ヨーロッパ全域の数多くの建物を優れた芸術作品に変えてきた。

オーストリア人であるフンデルトヴァッサー氏は真の独自路線を行く人で、もちろん私は彼のファンだ。同氏の考えでは、人はどれも似たり寄ったりの箱みたいな家に住むべきではないそうだ。また、住人は自分の周りの壁に色を塗るか、他の何らかの方法で壁を変えるように勧められるべきだという。この考えは家の中の壁にも及ぶ。彼は廃工場をアバンギャルドな芸術作品に変えることにも情熱を注いでいた。

さて、もう説明は十分だろう。写真をご覧いただきたい。

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世界に希望をもたらしたリーダー

紳士淑女の皆さん!

今日は、この世に存在する最高の人物を祝う特別な日だ。今日は、リー・クアンユー氏の90歳の誕生日なのだ。シンガポールの祖にして誰もが認める指導者であり、シンガポールはこの人なくして現在の姿たりえなかったことだろう。彼こそが、かつて顧みられない場所であったものを、繁栄する国家、すなわち世界の模範となるドリームシティたらしめた人なのだ。

では、かつてのシンガポールとはどんなところだったのだろう?

1965年、シンガポールは他の多くの国とは違う形で独立した。不要なものとして投げ捨てられるがごとく、独立させられたのだ。この国は未開発の島々の寄せ集めで資源も少なく、正気の人間なら行く末に希望を感じることなどできない状況だった。そもそも、正気の人間ならシンガポールのことなど認めることすらしなかっただろう。

その特徴は?

  • 湿地帯で、土地のほとんどは豚や牛が草をはむだけだった
  • 天然資源がなく、飲料水さえ事欠いていた(今でもそうだが)
  • (表現を和らげていえば)近隣諸国と友好的ではなかった
  • 識字率が低く、共産党の強い影響下にあった(海外からの支援も含め)
  • 異人種間での紛争が絶えなかった。主な構成員は華僑、マレー系、ヒンドゥー系で、それぞれ異なる宗教を信奉していた

さらにおまけで、こんな特徴も:

  • 組織的犯罪
  • 軍隊はなく、忠義な警察組織もなかった
  • 汚職が蔓延
  • 英軍の基地および港以外の産業がほぼ皆無

もう十分だろうか。

汚濁と貧困の中にあり、期待すべきものはなにもない。それが1965年の様子だった。

この25年後(そう、1990年)、ここはまったく違う場所となっていた… 続きを読む:世界に希望をもたらしたリーダー

ドイツのQRホテル

Guten tag、皆さん!

私は今、ヨーロッパ横断特急の旅にある。道中、あまりにも気になる光景が目に飛び込んでくるので、読者の皆さんにシェアしなければ、という義務感にかられている。ということで、いってみよう。

その1

ドイツのアウトバーン、フランクフルト-ハノーバー間でよく見かける車は?最新のスピーディな車、それはもちろん。では、あまり見かけない車といえば?答えは簡単、古いモデルの車だ。ビンテージ級のザポロジェッツを見つけたときに私がどれほど衝撃を受けたか、ご理解いただけるだろうか。それもモスクワのプレートがついたやつだ!なんと!フルスロットルでぶっとばしてはいるものの、ガタガタカタカタ音を立てて周囲の注意を引き、周辺はスピードが落ちてアウトバーンらしからぬ感じになっていた。これは…!まさにウクライナのレトロ襲来。

germany_zap1VWビートルへのアンサー by ソ連

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ブートセクターの怪人

おまえを支配する私の力は
まだまだ強くなっていく

                                          アンドリュー・ロイド・ウェッバー – オペラ座の怪人

今も続くマルウェアとアンチマルウェア技術の戦いにおいて、何度も繰り返されている興味深いゲームがある。お城の王様ごっこというゲームだ。

ルールは至ってシンプル。勝った方が先に自分をコンピューターメモリにロードさせて、その「レベル」の支配権を握り、他のアプリケーションから身を守ることができる。そして、城の上から辺りを静かにくまなく見渡して、システム内の秩序を守るのだ(一方、悪意のある方が勝てば、人知れず、罰を受けることなく混沌を引き起こすことができる)。

要するに、勝者がすべてを手に入れるゲームだ。コンピューターを支配するわけだ。

起動プロセスにおいて主導権を握るためのアプリケーションのリストの最初にあるのは、ブートセクターだ。ブートセクターはディスク上の特別なセクションであり、何を、いつ、どこにロードするかという指示命令のすべてが格納されている。何より恐ろしいのは、オペレーティングシステムでさえそのリストに固執するということ。サイバー犯罪者が長い間、ブートセクターに不健全な興味を抱いてきたのにも頷ける。コンピューターが感染しているという事実を完全に隠しつつ先手を取るには、ブートセクターを悪用するのが一番だからだ。サイバー犯罪者がこのために使う特別なマルウェア、それがブートキットだ。

 

コンピューターのロードの仕組み

コンピューターのロードプロセス

この記事では、ブートキットとは何なのか、我々がどのようにブートキットからユーザーを守るのかを紹介する。 続きを読む:ブートセクターの怪人